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雪見
「雪見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雪見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ましたが、いやどうも寒いことで……。枯野見なんて云うのは、今どき流行りませんね。
雪見だって、だんだんに少なくなりましたよ」と、徳次は笑った。 「通人が少なくなっ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ものが起って来て、私は炬燵の布団から頬を離して立ち上った。 「河沿いの仕事部屋へ
雪見に行くわ」 叔母は自分の意見を採用しながら、まだ、痩我慢に態のよいことを云....
「橇」より 著者:黒島伝治
特権を持っているのだ。そこには、酒があり、滋養に富んだ御馳走がある。雪を慰みに、
雪見の酒をのんでいるのだ。それだのに、彼等はシベリアで何等|恨もないロシア人と殺....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
って、とつぜんこの港町の伯母さんの家へあずけられたのであった。そして清は、近くの
雪見中学校へ転校入学したのだった。彼は三年生だった。 一時はずいぶんさびしい思....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
しけれ。顔の色を林間の紅葉に争いて酒に暖めらるゝ風流の仲間にも入らず、硝子越しの
雪見に昆布を蒲団にしての湯豆腐を粋がる徒党にも加わらねば、まして島原祇園の艶色に....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
雪が積っていた。然し、部屋の中は、スチームの為めに暖かだから、丁度汽車にのって、
雪見をしている様なものだ。外出するとさすがにつめたい、すばらしくつめたい。然し雪....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
に紛れた。―― きりょうも、いろも、雪おんな…… ずどんと鳴って、壁が揺れた。
雪見を喜ぶ都会人でも、あの屋根を辷る、軒しずれの雪の音は、凄じいのを知って驚く…....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、お早う、とも言えた義理じゃありませんわ。」 「どうしたんでしょう、こんな朝……
雪見とでもいうのかしら。」 「あなたもあんまりお嬢さんね。――吉原の事を随筆にな....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
うんとつもっているところ、知らない?」 「神鍋」 「スキーしにゆくんじゃないの、
雪見にゆくの、人の居ないところ」 私は、そう云いながら、真白につもった雪の中を....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
れれば」(同・三九二四)を作り、大伴家持は、「大宮の内にも外にも光るまで零らす白
雪見れど飽かぬかも」(同・三九二六)を作って居る。 ○ た....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
に白く沈んでいた。女と男とはこの雪のなかを何処へ出て行ったのであろう。河原の方へ
雪見に行ったのかも知れないと、女中は言った。 「ずいぶん風流なことだな。」と、古....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
い、これ、吉兵衛の二心め! よも忘れてはいまいがな! 今年の一月京町の揚屋で俺が
雪見をしていたら、紀文の指図で雪の上へ小判をバラバラばら蒔いて争い拾う人達の下駄....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
た。私は鈴子と二人して庭に手頃な雪達磨をつくった。 仁田さんは雪を珍しがって、
雪見をすると言って酒を暖めさした。 「あんた少しいけるか」 「二、三杯はいけます....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
た。 その家は五間ぐらいでしたが、庭が広くて正面に松の大木があり、枝垂れた下に
雪見灯籠がありました。左と右とにも松があって、それぞれ形の違った石灯籠が置いてあ....
「山吹」より 著者:泉鏡花
なさい。だが、いまの一合たっぷりを、もう一息にやったのかい。 人形使 これまでは
雪見酒だで、五合一寸たちまちに消えるだよ。……これからがお花見酒だ。……お旦那、....