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雪踏
「雪踏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雪踏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
をするくらいなら、おれなんか誘わなければいい。いけ好かない連中だ。バッタだろうが
雪踏《せった》だろうが、非はおれにある事じゃない。校長がひとまずあずけろと云った....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
か、冷たいものに顔を撲たれながら、彼は暗い屋敷町をたどってゆくうちに、濡れた路に
雪踏《せった》を踏みすべらして仰向《あおむ》きに尻餅を搗いた。そのはずみに提灯の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
腕っ節の強い奴で、振り払って掴み合いになりましたが、あの辺は路が悪い、霜どけ道に
雪踏《せった》をすべらせて、曽根が小膝を突いたところを、伝蔵は突き放して一目散に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い四十四五歳の大年増で、照降町の駿河屋という下駄屋の女隠居である。照降町は下駄や
雪踏を売る店が多いので知られていたが、その中でも駿河屋は旧家で、手広く商売を営ん....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
た時、やや得意気に見えた。 「さぞおもしろい、お話しがございましたでしょうね。」
雪踏をずらす音がして、柔かな肱を、唐草の浮模様ある、卓子の蔽に曲げて、身を入れて....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ありましたが、藤崎さんはそれほどのこともしないで、やはり普通の帷子をきて、大小に
雪踏ばきという拵え、しかし袴は着けていません。茶屋に羽織と大小をあずけて、着なが....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
が、よぼ/\して片手に小包を提げ、正直な人ゆえ下足番が有るのに、傍に置いた主人の
雪踏とお嬢様の
雪踏と自分の福草履三足一緒に懐中へ入れたから、飴細工の狸見たように....
「家」より 著者:島崎藤村
いだ白シャツに復た手を通して、服も着けた。正太は紺色の長い絹を襟巻がわりにして、
雪踏の音なぞをさせながら、叔父と一緒に門を出た。 「何となく君は兜町の方の人らし....
「登山の朝」より 著者:辻村伊助
ロアールの直下までたどりつくと、そこに二列の非常に大きなクレヴァースがある、昨日
雪踏みに来た時、遠くから眺めて、あれをどうして飛び越すのかと思ったが、近づくとヘ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
で、上等の上布|絣に錦紗の兵児帯をしめ、本パナマの深い帽子で禿を隠し、白|足袋に
雪踏穿きという打※で、小菊や品子を堅気らしく作らせ、物聴山とか水沢の観音とか、ま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
え、手形は心づかず、稽古先より計らず思いついて、上方へ修行に上り候《そうろう》、
雪踏《せった》を穿《は》き候まま、旅支度も致さず参りしこと故、相なるべくはお通し....
「グースベリーの熟れる頃」より 著者:宮本百合子
わきにぴったりとついて長い袂の大きな蝶の飛んで居る着物にまっ赤な帯を小さく結んで
雪踏《せった》の音を川の流れと交って響かせて行く若い女の様子を仙二は恐ろしい様な....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
ると頭髪も鬚髯も真っ白な老爺が雪の上を歩いてくる。熊の皮の甚兵衛を着て、もんぺと
雪踏をはいているのである。賢彌に近づくと、 「お前は賢彌じゃろうな、するとお前は....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
袂にせんも、びっしょり濡れているから、手巾をそのまま日傘の柄に持ち添えて、気軽に
雪踏ちゃらちゃらと、鴨川が根岸の家へ急いだのであった。 鶯谷を下りて御院殿を傍....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
が、痛いもので、年始廻りの供の帰りが、首に大きな風呂敷を掛け、千草の股引白足袋に
雪踏を穿いた小僧が腮を押え泣声を出して、 小「あの娘でございます、突然に来て私の....