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雪輪
「雪輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雪輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
ありながら、両杖を突いていない。条痕の左側には、杖を突いていたと見えて、杖の先の
雪輪で雪を蹴散らした痕が二、三間毎についているが、右側には全然ない。 私の胸は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が館と揚屋を歩くだけのこと。 霞《かすみ》にさした十二本の簪《かんざし》、松に
雪輪《ゆきわ》の刺繍《ぬいとり》の帯を前に結び下げて、花吹雪《はなふぶき》の模様....
「古狢」より 著者:泉鏡花
襦袢を着換えていた。 その長襦袢で……明保野で寝たのであるが、朱鷺色の薄いのに
雪輪を白く抜いた友染である。径に、ちらちらと、この友染が、小提灯で、川風が水に添....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
に推込んで、肩を落して坐っていたがね、……可愛らしいじゃないか。赤い紐を緊めて、
雪輪に紅梅模様の前垂がけです。 それでも、幕が開いて芝居に身が入って来ると、身....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
けたのは、縋れ、手を取ろう身構えで、腰を靡娜に振向いた。踏掛けて塗下駄に、模様の
雪輪が冷くかかって、淡紅の長襦袢がはらりとこぼれる。 媚しさ、というといえども....
「Sketches for details Shima」より 著者:宮本百合子
うすっかり田舎。(一側の町どおり。) 朝鮮人の藤色のチマが乾して、ある。 ◎
雪輪の中に梅と菊との花をすり出した、あとはくもりの小さい硝子の入った障子。 ○白....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うのない白無垢《しろむく》の振袖で、白無垢と見ていると、裾模様のように紫の輪廓の
雪輪《ゆきわ》が、いくつもいくつもその中から、むら雲のように湧いて出るのを見受け....
「野萩」より 著者:久生十蘭
の帯を高めなお太鼓にしめ、羽織は寒色《さむいろ》縮緬の一つ紋で、振りから、大きな
雪輪《ゆきわ》の赤い裏がみえた。 杜松は檐《のき》の蔭になった濡縁の近くに浅く....
「ユモレスク」より 著者:久生十蘭
高めなお太鼓にしめ、羽織は寒色縮緬《さむいろちりめん》の一の紋で、振りから大きな
雪輪《ゆきわ》の赤い裏がみえた。 杜松子は檐《のき》の陰になった濡縁《ぬれえん....