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雪隠
「雪隠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雪隠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
のは、神代時代からあったものだ。むかし天照大神の御孫、瓊々杵尊、門戸、入口、竈、
雪隠、土蔵、井戸、築山、泉水、茶室、納屋、隠居所、風呂、牛部屋、厩、窓口、裏口等....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
た。そこには佐吉が働いていた。 旧暦二月のことで、雪はまだ地にある。半蔵は仮の
雪隠を出てから、焼け跡の方を歩いて、周囲を見回した。上段の間、奥の間、仲の間、次....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
るのは祖父半六が隠居時代からで、別に二階の方へ通う入り口もそこに造りつけてある。
雪隠通いに梯子段を登ったり降りたりしないでも、用をたせるだけの設けもある。そこは....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
でも無かろう、この和尚に借金もあり、身代の為にした事かと己惚て、遠くから差配人が
雪隠へ這入った様にえへん/\咳払いして、 七「御免なさい」 永「おゝ誰かと思うた....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
ケットから出すと一同は温和しくなり、貫一のいうことを聞いて一同は便所の中に本当の
雪隠詰めとなった。 貫一はその後で、便所の戸を釘づけにし、そして悠々と吉祥天女....
「連環記」より 著者:幸田露伴
極楽世界へ転居して涼しい顔をしようと云うのは、随分虫のいいことで、世の諺に謂う「
雪隠で饅頭を食う」料簡、汚い、けちなことである。証得妙果の境界に入り得たら、今度....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
罵倒した。生蕃は大沢一等卒が牙山の戦いで一生懸命に逃げてアンペラを頭からかぶって
雪隠でお念仏をとなえていたといった。それに対して大沢は顔を赤くして反駁した。 「....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
東京語の幾つかを教わった。醤油のことをムラサキという。餅のことをオカチンという。
雪隠のことをハバカリという。そういうことを私は素直に受納れて今後東京弁を心掛けよ....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
途中で手水が出たくなって、あゝ何所かに手水場があれば好いと思うと、幸い三疋立ちの
雪隠があるから入ろうとすると、皆な咳払いをして塞がって居たり、横浜へ往くのに汽車....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
いますかな」 「裏にゃア何があるんだい?」 「へい、庭と生垣と……」 「それから
雪隠と座敷とだろう」 「へい、裏座敷はございます」 「その座敷にだが居る奴はだれ....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
十二月十一日漱石 虚子様 横顔の歌舞伎に似たる火鉢哉 炭団いけて
雪隠詰の工夫哉 御家人の安火を抱くや後風土記 追分で引き剥がれたる寒かな 正....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
多いとの事であるが、或時|素人連の女芝居を興行した際、座頭の某が急に腹痛を起し、
雪隠へはいっているとも知らず、席亭の主人が便所へ出掛けて行く、中の役者が戸を明て....
「迷信解」より 著者:井上円了
用と申すが、あたかも夢中に寝言をいって自ら覚えざると同様である。 その他、俗に
雪隠の化け物、舟幽霊、雪女等の怪談あれども、これらはみな幻視、妄覚より起こりたる....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
伐の良い口実を得た訳である。もし強いて推測をこの間に逞しうしたならば、なお将棊の
雪隠詰と同一の筆法をもって、義経が少年のさい扶持されたる関係をたどって、ここに落....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
便所という名が不潔だから、改めたのだとの事であります。便所と云い、手水場と云い、
雪隠と云い、はばかりと云う名には、少しも不潔な意味はありません。もと糞尿処という....