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雪風
「雪風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雪風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
竹)あって裾の寒さよ、丁度碓氷の山の麓で、片方は浅間山の裾になって、ピイーという
雪風で、暑中にまいりましても砂を飛し、随分|半纒でも着たいような日のある処で、恐....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
並んで居ります、蔵の差かけの下で、横鼻緒をたって居りますと、ぴゅーと吹掛けて来る
雪風に、肌が裂れるばかり、慄いあがる折から、橋の袂でぱた/\/\と団扇の音が致し....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ろを吐いたようなもンだ……。おっかさんは私に抱きついてすやすやおやすみだ。時々、
雪風が硝子戸に叩きつけている。シナそば屋のチャルメラの音色がかすかにしている。も....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
ぞけられた。登り行く途々鉢盛山の方向には山々が重り合っているのが見えるが、烈しい
雪風に立っているのさえつらい。登れば登るほど風はひどくなった。孝ちゃんが早く帰ろ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ます》を埋めさせる。そのあとで、風呂にはいりたいといいだす。それも、折角だから、
雪風呂にはいりたいといって、雪を嫁さんに掻《か》きあつめさせて沸《わ》かさせる。....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
って、
「お、お艶か!」
戸を引きあける――とたんに、ゴウッ――と露路を渡る吹
雪風。
まんじ巴《ともえ》と闇夜におどる六つの花びらだ。
その風にあおられて....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
。雪が降りだせば風がやんで、かえって寒さもゆるむだろうと思った。 わたしはまだ
雪風というものがどんなものだかよく知らなかった。 しかしまもなくそれがほんとう....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
る時はよろしゅうございますが、待った上でないといわれた時は実に泣きたくなります。
雪風の寒い日にも火一つない土間にぶるぶる慄えながら印袢天一枚で一時間も待たされて....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
た。 女房は門の戸を閉じようともしない。 遠くで追分が聞こえていた。 今の
雪風に煽られたのか、炉の埋み火が燃え上がった。 サラサラと落ちる雪の音。…… ....
「雪女」より 著者:岡本綺堂
来たらしく、浪のような音を立ててごうごうと吹き寄せていた。窓の戸の揺れたのはこの
雪風であることを堀部君はすぐに覚った。満洲の雪の夜、その寒さと寂しさとには馴れて....
「魔像」より 著者:林不忘
材料をはじめ庖丁|俎板《まないた》まで仕込んである。花月《かげつ》の夜《よ》、雨
雪風流《うせつふうりゅう》の窓《まど》にこれをひらいて、たちまち座を賑わそうとい....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
所へ、見ず知らずの父親が入り込んでも、まるで仕事にありつけなかった。父親は毎日、
雪風に吹かれながら、埠頭の倉庫のかげで、弁当を食うだけのことしかしなかった。そう....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
地此地へ向けている中に、雪は渦巻いて降込んで来た。袖で掩う間も無しに、洋燈の火は
雪風に吹き消されて、室の内は俄に闇となった。 忠一は引返して燐寸を擦ろうとする....
「西航日録」より 著者:井上円了
ち懐古の情を動かす。当日また寒風の襲来あり。 花ちりてはや今頃は蛍狩さるに此地は
雪風ぞ吹く へースティングズ滞在一週間にして病気全快し、いよいよ欧州大陸旅行の....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に、春はものさびしく、人々はいてつくもやと冷たい霧のなかに住んでいるのである。)
雪風十月捲。 (雪をふくむ風が吹く十月、春さきの波を巻きあげ、寒さは着物も夜具を....