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「雫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
》に投げ上ぐれば、露を争う蝶|一双《ひとつ》、縦横上下に逐《お》いつ、逐われつ、《しずく》も滴《こぼ》さず翼も息《やす》めず、太夫の手にも住《とど》まらで、空....
婦系図」より 著者:泉鏡花
も清き流れだ。」 五十三 「あら、乱暴ねえ。ちょいと、まだ釣瓶からがするのに、こんな処へ脱ぐんだもの。」 と躾めるように云って、お妙は上衣を引....
海異記」より 著者:泉鏡花
てさ、」と女房は首垂れつつ、 「私にゃ何にもいわないんだもの……」と思わず襟に一、ほろりとして、 「済まないねえ。」 奴は何の仔細も知らず、慰め顔に威勢の可....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
ら果を一網にもせい、人間|夥間が、大海原から取入れます獲ものというは、貝に溜ったほどにいささかなものでござっての、お腰元衆など思うてもみられまい、鉤の尖に虫を....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
重った、表紙に彩色絵の草紙を巻いて――鼓の転がるように流れたのが、たちまち、紅のを挙げて、その並木の松の、就中、山より高い、二三尺水を出た幹を、ひらひらと昇っ....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
では、季節で蒸暑かりそうな処を、身に沁みるほどに薄寒い。…… 木の葉をこぼれるも冷い。……糠雨がまだ降っていようも知れぬ。時々ぽつりと来るのは――樹立は暗い....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
れりゃそれきりだ、も一つ憚りだがついでおくれ、別れの杯になろうも知れん。」 とを切って、ついと出すと、他愛なさもあんまりな、目の色の変りよう、眦も屹となった....
海の使者」より 著者:泉鏡花
、すいと掻きあげると、つるりと懸かった。 蓴菜が搦んだようにみえたが、上へ引くとともに、つるつると辷って、もう何にもなかった。 「鮹の燐火、退散だ」 それ....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
度は、雪まじりに鳥の羽より焼屑が堆い処を見着けて、お手向にね、壜の口からお酒を一と思いましたが、待てよと私あ考えた、正覚坊じゃアあるめえし、鴛鴦が酒を飲むやら....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
から。」 肩を払うと、顔へかかるのを、片手でまた掻き遣って、頬をすぼめた。 「もしないのに濡れたんですか、冷いこと。」 お京も立停まって振向いた。 「髪の....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
から、頭から。 「あ、」と不意に呼吸を引いた。濡れしおたれた黒髪に、玉のつらなるをかくれば、南無三浪に攫わるる、と背を抱くのに身を恁せて、観念した顔の、気高き....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
の姿は、鯉を遊ばせた薄もみじのさざ波であった。いまは、その跡を慕って大鯰が池からをひたひたと引いて襲う気勢がある。 謙斎の話は、あれからなお続いて、小一の顕....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
ら百条の簾を乱して、溝を走って、路傍の草を、さらさらと鳴して行く。 音が通い、を帯びて、人待石――巨石の割目に茂った、露草の花、蓼の紅も、ここに腰掛けたとい....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
縁日 柳行李 橋ぞろえ 題目船 衣の 浅緑 記念ながら 縁日 一 先年|尾上家の養子で....
可愛い山」より 著者:石川欣一
気持が悪くて仕方がない。色々と考えたあげく、蝋燭で岩に線を引いて見た。伝って来たが、ここまで来て蝋にぶつかり、その線に添うて横にそれるだろうとの案であった。し....