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雲の裏
「雲の裏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雲の裏の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「丹下左膳」より 著者:林不忘
来はシンとして、旅人の姿もないままに、関所役人たちはワイワイ雑談にふけっている。
雲の裏に、ドンヨリした月があるかして、白い粉のような光が立ち木のこずえ、草の葉の....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
に、はじめ日本列島は小さな点々として映る。マリアナ基地を飛立ったB29の編隊が、
雲の裏を縫って星のように流れてゆく。日本列島がぐんとこちらに引寄せられる。八丈島....
「黒い驢馬と白い山羊」より 著者:宮本百合子
えるようになった。 開いたところへ出ると、令子は飢えたように空を仰いだが、月は
雲の裏にあった。薄明りが、草原と、令子と漁師の歩いている路を照して居る。又トンネ....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
お方は言葉すくなに、そのようにご挨拶なさいました。その間ご上人様にはただ無言で、
雲の裏に真鍮のような厭な色をして、茫とかかっている月を見上げ、物思いにふけってお....
「日記」より 著者:宮本百合子
そな双の対葉の間にしぶい薄紫の花をつけた。 六月二十日 日 一杯に張りつめた
雲の裏から、暑い日光が透いて来るような日。朝四時頃床に入って九時半頃、東京からの....