雲を掴む[語句情報] » 雲を掴む

「雲を掴む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雲を掴むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊の自筆」より 著者:田中貢太郎
の船は大阪へ寄るから、大阪の土佐邸まで知らしてやっても好いが、何も証拠が無いに、雲を掴むような知らせでは、知らして往く方も困るし、むこうも本気にしないだろう、何....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
か最初から心あたりがあったんですかえ」 「まんざらないこともなかったが、あんまり雲を掴むような話で、おめえに笑われるのも業腹《ごうはら》だから実は今まで黙ってい....
三人の双生児」より 著者:海野十三
にあたくしたちの腕の奮いどころがあるのですわ、奥さま」 「でもその現地というのが雲を掴むような話で第一何処だか見当がついていないのですよ」 「それは奥さま、調べ....
狂乱」より 著者:近松秋江
中心にして、その上下を幾回となく往きつ戻りつして一々両側を歩いてみたが、もとより雲を掴むような話で、悉皆屋と糊屋とは幾らもあるが、手がかりのあろうはずもない。そ....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
発見できないであろうといったような見得を切って来たものらしい。どっちにしても私は雲を掴むような仕事に、大汗をかかねばならなくなったのである。 私が当惑しきって....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
あの辻斬が、果して自分へ向いてのしかかって来たのだか、どうだか、いま考えてみると雲を掴むようだ。 ああした瞬間に、たつみ上《あが》りに覆面の者からのしかかられ....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
いくら自分を卑下して考えても、単にそればかりではなかった。では一体何か?……その雲を掴むような疑問をくり返してるうちに、昌作は深い寂寥の中へ落ち込んだ。 珈琲....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
何しろ秋山という名前と、もと拾い屋をしていたという知識だけが頼りですから、まるで雲を掴むような話、迷子を探すというわけには行きません。とうとう探しくたびれてしま....
染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
ばかりさ」 で、こいつは投げ出すことにした。 「さてこの外にはどこへ行くな?」雲を掴むようでわからない。 「こまったな、本当にこまった。……だが……」 とい....
剣侠」より 著者:国枝史郎
即ち用心棒として、世話になっていたということを、問わず語りに語ったことがあった。雲を掴むような洵にあやふやが無かったので、二人――主水と澄江との二人は、ともかく....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
の云ってることはさっぱりわけが分らないんだ。第一|条理がたっていないよ。まるで、雲を掴むように漠然としている。そうかと思うと、突然、大声をはり上げて、「貴様はあ....
唇草」より 著者:岡本かの子
のも苦痛のような態度で、白けて黙り込んで研究室や花畑にばかりいた。それでなければ雲を掴むような大きなことばかりいっていた。そんな風に尾佐は頼りないので、栖子は尾....
墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
、さっぱり分かりませんでした。俊夫君と同じ物を見、同じことを聞きながら、まったく雲を掴むごとき混乱に陥るだけでありました。 「僕にはとうてい分からない、そんなに....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
興然師が熱心に私に説かれた事は「そんな大乗教などを信じてチベットへ行くなんという雲を掴むような話よりかここに一つ確実な事がある。それはまずセイロンに行って真実の....
情鬼」より 著者:大倉燁子
すか?」 「どうもそう思うより他には心当りがございませんものですから、でもまるで雲を掴むような話で、何人かの悪戯かとも思うのでございますが――、でも万一ほんとに....