雲を霞と[語句情報] » 雲を霞と

「雲を霞と〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雲を霞との前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 黒坂は何としたか一度ひっくり返って、その次に居直るかと思えばそうでもなく、雲を霞と逃げて行きます。 黒坂の逃げたのは、竜之助を巡廻の役人とでも思ったのか....
火星兵団」より 著者:海野十三
う思え」 博士は、盛に火星兵をおどしつけた。火星兵は、いよいよ驚いて、それこそ雲を霞と逃げていく。 「あははは、逃げちまった。火星兵って、いくじがないんだなあ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
騨の高山くんだりへ来て、追剥か、辻斬か、異体の知れねえのに脅《おびやか》されて、雲を霞と逃げたとあっちゃあ――第一、七兵衛兄いなんぞに聞かせようものなら、生涯の....
現代の詐術」より 著者:坂口安吾
然し、窮すれば是非もない、というので罪を犯すことは許されない。だから、犯人は雲を霞と逃げる。仕方がネエや、盗む方が悪いか、と云って私に食ってかゝりやしない。....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
れて然るべき人物だが――と九太夫は考えた。こういう人間に限って急場の行動迅速で、雲を霞と三千里、昨日の敵は今日の友、めったにバカを見ることがないのであろう。 「....
発明小僧」より 著者:海野十三
に、痒さあまりて遂に月賦の催促などして居られなくなるを以て、そこを覘ってこっちは雲を霞と遁走するのである。 家ダニは一名エロ虫と称せられ、身体の軟部を好みて喰....
善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
ッ、いけねえ! 邪魔が出たア!」 最初の勢いはどこへやら、五人揃って無頼漢共は雲を霞と逃げてしまった。 武士は静かに編笠を脱ぎ、 「浮雲い所でござりましたな....
この握りめし」より 著者:岸田国士
電話でそのことを伝えると、それと察した牛盗人は黒い一頭の牛を店先につないだまゝ、雲を霞と姿を消してしまつた。また一軒の温泉宿での出来事だが、その宿へ一泊した男女....
助五郎余罪」より 著者:牧逸馬
分の身体は、板を跳ね返して溝へ落ち込んでいた。と同時に、狼籍者《ろうぜきもの》は雲を霞と逃げ失せて、肋と頤へ怪我をした又七は、ようよう溝から這い出して、折柄通り....