雲上[語句情報] »
雲上
「雲上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雲上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外科室」より 著者:泉鏡花
今日がはじめてよ。どうもお育ちがらはまた格別違ったもんだ。ありゃもう自然、天然と
雲上《うんじょう》になったんだな。どうして下界のやつばらが真似《まね》ようたって....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
、動的なものに律動化し、聴き澄している復一を大地ごと無限の空間に移して、悠久に白
雲上へ旅させるように感じさせる。 もろもろの陰は深い瑠璃色に、もろもろの明るみ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
迎へ奉り併せて高堂の万福を祈上候|燦として輝く新春の光に白雪を頂くアルプスの連峰
雲上遥に諸賢アルピニストの御健康を祝するが如く仰ぐも荘重の気全身に満るを覚え申候....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
けたものだ、外国貿易ももはや売ろうと買おうと勝手次第だ、それでも御紋付きの品々、
雲上の明鑑、武鑑、兵学書、その他|甲冑刀剣の類は厳禁であると数えて見せるのも、こ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は民の御父たる天賦の御職掌にも戻るであろう。これまでのように、主上の在すところは
雲上と言い、公卿たちは
雲上人ととなえて、龍顔は拝しがたいもの、玉体は寸地も踏みた....
「足迹」より 著者:徳田秋声
父親も側で莨を喫いながら口小言を言った。 「人に髪を結ってもらって、今からそんな
雲上を言うものじゃないよ。」と、母親も癇癪を起して、口を尖らかしてぶつぶつ言いな....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
じて、雛僧が一人出て来た。別に宝物を見るでもなく、記念に画はがきなど買って出る。
雲上から下界に降る心地して、惜しい嶝道を到頭下り尽した。石門を出ると、川辺に幾艘....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
の方が今の場合特徴的なので、それは、事実上のことに関るからと云うのであるらしい。
雲上の事柄に気を配るということは、決して風俗検閲の任務ではなくて、今日では正に思....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
至芸、切磋一家ヲ成ス。喜多流宗家|六平太氏未ダ壮ナラズ、嘱セラレテ之ヲ輔導ス。屡
雲上高貴ニ咫尺シ、身ヲ持スルコト謹厳|恬淡ニシテ、芸道ニ精進シテ米塩ヲカヘリミズ....
「惜別」より 著者:太宰治
であった自分が、さらに万里を踏破して独逸国に留学するにはどうしたらよいか、まるで
雲上の楼閣を望見するが如き思いであった。独逸国へ留学する事が絶望だとしたら、あま....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
せて子爵には一目置た挨拶させ差詰聟殿と大切がられべきを、四民同等の今日とて地下と
雲上の等差口惜し、珠運を易く見積って何百円にもあれ何万円にもあれ札で唇にかすがい....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
ることは避け難い。東洋画の如くうるさいところは空白として金箔で埋め、動物園の鶴を
雲上に飛ばすだけの自由が技法的にも許されてはいないのである。その背景である現代世....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
は「天衣紛上野初花」と云うことになっているが、黙阿弥は明治七年十月の河原崎座で「
雲上野|三衣策前」の名題のもとに同じ題材を取り扱っている。要するに「上野初花」は....
「遺恨」より 著者:坂口安吾
ったこともない。最下級のインフレ景気にもツキアイのない自分だから、パンパンなどは
雲上人で、とても拝謁の望みはない。 けれども先生はムホンを起した。やっぱり大学....
「酒渇記」より 著者:佐藤垢石
った―― このころの、酒の価についての文献は見当たらぬ。もっとも、この酒合戦は
雲上で行なわれたことであるから、酒の値段など詮議しないでもよろしかろう。 正体....