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雲井
「雲井〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雲井の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
の夢路をさそふ郭公かな と詠ずれば、勝家もまた、 夏の夜の夢路はかなき跡の名を
雲井にあげよ山郭公 二十四日の暁方、火を城に放つと共に勝家始め男女三十九人、一....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
。下品に見せる。私は孤独な純潔なニイチェを思う。あの『貴族の家』に出るみずからを
雲井のひばりに比べ、野の百合にたとえた詩人を思う。麻のなかに高居した、毅然たる威....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
紅い調は立田川、月の裏皮、表皮。玉の砧を、打つや、うつつに、天人も聞けかしとて、
雲井、と銘ある秘蔵の塗胴。老の手捌き美しく、錦に梭を、投ぐるよう、さらさらと緒を....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
、大阪に呼んで(いたずら)とか。緋縮緬のかけおろし。橘に実を抱かせた笄を両方に、
雲井の薫をたきしめた、烏帽子、狩衣。朱総の紐は、お珊が手にこそ引結うたれ。着つけ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、押分け押分け、ここは何処と白妙の、衣打つらん砧の声、幽にきこえて、雁音も、遠く
雲井に鳴交わし、風すこし打吹きたるに、月|皎々と照りながら、むら雨さっと降りいづ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
それっきりである上に、俳優狂を始めて茶屋小屋|入をする、角力取、芸人を引張込んで
雲井を吹かす、酒を飲む、骨牌を弄ぶ、爪弾を遣る、洗髪の意気な半纏着で、晩方からふ....
「鵺」より 著者:楠山正雄
ほととぎすが二声三声鳴いて通って行きました。大臣が聞いて、 「ほととぎす 名をば
雲井に あぐるかな。」 と歌の上の句を詠みかけますと、 「弓張り月の いるにま....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
私はあのツルゲネフのゼントル・フォークの中に出て来る、自分を野の百合に比べ、
雲井のひばりにたとえる弊衣の詩人青年のことを君について、思ったのであった。 「君....
「光は影を」より 著者:岸田国士
感情が爆発してしまつた。それだけじやないか」 「それだけにはちがいないわ。たゞ、
雲井つていうんだけど、そのひとは前からあたしに結婚を申込んだこともないし、宮坂の....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
に申込みたる二人の青年紳士あり。その一人は秋山男爵にして、一人は博士の遠縁に当る
雲井文彦という青年紳士なるが、いずれも博士が、まだ出発せざる以前より深くも嬢に心....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
事があれば、互にうちとけて昔の親しさに返るのであるが、源氏の長男夕霧と内大臣の娘
雲井雁との恋愛問題があったり、其他周囲の事情が色々加って、二人の間は、解決の出来....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
、今の東宝の重役吉岡重三郎さんであった。 ノンビリした格好で、その頃のスターの
雲井浪子の歌舞を見ていると、背広姿の小兵の人が吉岡さんに連れられて現われ、 「国....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
を立ち暮して、おたがいに苛うくたびれました。 呉羽 今更いうも愚痴なれど、ありし
雲井のむかしには、夢にも知らなんだ賤の手業に、命をつなぐ今の身の上。浅ましいとも....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
聞く。……いずれ、佐保姫の妙なる袖の影であろう。 花の蜃気楼だ、海市である……
雲井桜と、その霞を称えて、人待石に、氈を敷き、割籠を開いて、町から、特に見物が出....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
が正しいと思って、それに学んだ点が多いのである。 天のとをあくるけしきも静かにて
雲井よりこそ春は立けれ 俊成 うちはへて世は春ならし吹風も枝をならさぬ青柳....