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雲気
「雲気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雲気の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
したような一団の靄《もや》がたなびきました。いや、靄と申したのでは、あの不思議な
雲気《うんき》の模様が、まだ十分|御会得《ごえとく》には参りますまい。もしそれが....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
どうか菽麦《しゅくばく》すら弁ぜぬ程、愚昧《ぐまい》にして下さいますな。どうか又
雲気さえ察する程、聡明《そうめい》にもして下さいますな。
とりわけどうか勇まし....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
小初は、跳ね込み台の櫓の上板に立ち上った。腕を額に翳して、空の
雲気を見廻した。軽く矩形に擡げた右の上側はココア色に日焦けしている。腕の裏側から....
「運命」より 著者:幸田露伴
乾坤 恨あり 家いづくにか在る。 江漢 情無し 水おのづから流る。 長楽 宮中
雲気散じ、 朝元 閣上 雨声収まる。 新蒲 細柳 年々緑に、 野老 声を呑んで ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
孔子曰く、われ今ここにおいて竜を見たり、竜は合《お》うて体を成し散じて章を成す、
雲気に乗じて陰陽は養わる、予《われ》口張って※《あ》う能わず、また何ぞ老※を規さ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
靄が、漂いはじめた。姫の命を搾るまでの念力が、筆のままに動いて居る。やがて金色の
雲気は、次第に凝り成して、照り充ちた色身――現し世の人とも見えぬ尊い姿が顕れた。....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
。……今年も、物忌を怠って、誰ぞまた神隠しにかからなければよいがな。現に西の空の
雲気は確かにわざわいのきざしをあらわしているのだ。 人々ががやがやと集って来て、....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
びいていて、読者をしてむせっぽく、息苦しく、時としては、故知らぬ浮れ心をさえ誘う
雲気の様なものに譬える事も出来る。そうした揺曳に気のつく事も、批評家でなくては出....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
よ強く、白浪海面に連なるも、船の揺動するに至らず。朝来、カナリア群島の間に入る。
雲気のために右方の島を望むことを得ざるも、左方のテネリフェ島の山容には近く接する....
「三国志」より 著者:吉川英治
あえぐうち、もう先陣の歩みは、まったく遅々として停ってしまった。――折から山中の
雲気は霏々として白い雪をさえまじえて来た。 難路へかかったため、全軍、まったく....