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「雲水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雲水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
もう二年あまり以前の話ですが、ちょうどある凩《こがらし》の真夜中です。わたしは雲水《うんすい》に姿を変えながら、京の町中《まちなか》をうろついていました。京の....
金将軍」より 著者:芥川竜之介
うぐん》桐隅里《とうぐうり》の田舎道《いなかみち》を歩いていた。この二人はただの雲水《うんすい》ではない。実ははるばる日本から朝鮮の国を探《さぐ》りに来た加藤肥....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
って、もう動かないのを自覚すると、師の坊の許しを得て、諸人救済の大願を起し、諸国雲水の旅に出たのであった。 美濃の国を後にして、まず京洛の地を志した。彼は、幾....
仇討三態」より 著者:菊池寛
その一 越の御山永平寺にも、爽やかな初夏が来た。 冬の間、日毎日毎の雪|作務に雲水たちを苦しめた雪も、深い谷間からさえ、その跡を絶ってしまった。 十幾棟の大....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
らで、こちとら同様、細い煙を立てていなさるでなす。」 あいにく留守だが、そこは雲水、風の加減で、ふわりと帰る事もあろう。 「まあ一服さっせえまし、和尚様とは親....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
になれば、それでいいのだということを申しましたが、一枚の生活というと「行雲流水」雲水、雲や水のように私がなったわけであります。雲水というものは、雲水のように生活....
一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
を取られなかったのだろう?) という、そういうことであった。 しかしもし彼が雲水となって、奥州塩釜の里へ行き、なにがしという尼寺を訪ね、法均という尼の口から....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
るな?」 「洛外嵯峨野だ。いい所だぞ。……ところでお主はどこにいるな?」 「私は雲水だ。宿はない」 「私の所へ来てはどうか?」 「まあやめよう。恐いからな」 「....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
いようのない無常を感じます。私はこの頃は西行や芭蕉などの行脚や托鉢して歩くような雲水のような心に同感します。 私は西国八十八か所を遍路して歩きたいと思いました....
西航日録」より 著者:井上円了
す。同港は海峡を隔ててスコットランドと相対す。 北游一夕泊津頭、愛海風光慰客愁、雲水渺茫望窮処、青山一髪是蘇州。 (北のかたに遊び、その夜は港に宿泊した。愛の海....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
船客の夢を破り、外輪船はすでに愛蘭の湾内に入っていたのであった。) 北游春夕泊、雲水渺茫望窮処、青山一髪是蘇州。 (北の旅の春の夕べ港のほとりに宿泊すれば、愛の....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
人持ち切りで掻き廻している魯八の芸も今は国太郎にはしつこく鼻についた。さっき見た雲水僧の言葉態度が妙に心に引っかかっていた。やがて提灯に送られて、国太郎の連中は....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
渡ると共にその風習も伝わって禅寺の主な年中行事の一つになっている。夏の九十日間は雲水達はどこかの寺の道場に宿りを求め静に座禅工夫にいそしむのであった。 慧鶴も....
特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
衣を纏うが如きはその本意でなかったに相違ない。樹下石上を家となし、一衣一笠、身を雲水に委して禅行を積むことは真の仏徒の行為と認められた。されば我が大宝令にも、僧....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
たのは言うまでもない。彼らは法師姿であるが故に、いわゆる樹下石上を家となし、身を雲水に任して頭陀の生活をなす修行者に交って、乞食として生活するの道を求めたであろ....