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「雲泥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雲泥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
香《にお》いとが、家じゅうに満ちていて、どこからどこまで乱雑で薄汚ない彼の家とは雲泥《うんでい》の相違《そうい》だった。渡瀬はその茶の間にしめやかな落着きを感ず....
高野聖」より 著者:泉鏡花
》の声はこの話をお聞きなさるお前様はもとよりじゃが、私《わし》も推量したとは月鼈雲泥《げっべつうんでい》、天地の相違、節廻《ふしまわ》し、あげさげ、呼吸《いき》....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
者で有ろうか、夫に引き替えお浦の仕様は何うであろう、余は両女の氏と育ちとに確かに雲泥の相違が有るのを認めた。怪美人は決して乳婆などの連れ子ではない。 叔父も非....
仇討三態」より 著者:菊池寛
「鈴木忠三郎は、兄を迎えるために、便々と日を過したというが、幸太郎殿の分別とは雲泥の違いじゃ。敵を探し出しながら、おめおめと病死させるとはなんといううつけ者じ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
湯とは名ばかりで、風呂じゅうをさがし廻って僅かに三つか四つの柚を見つけ出すのとは雲泥の相違であった。 冬至の日から獅子舞が来る。その囃子の音を聴きながら柚湯の....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
られた。それは宏荘とまでは行かずとも、相当の構えの家であり、もちろん私の借家とは雲泥の差があった。 出獄後半年たつと、昭和十三年になり、私は久振りに自分の家庭....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
れぐらいの余裕が必要なものである。セッパつまって徹夜の原稿を書いている私などとは雲泥の差があるようだ。 説教強盗などのように、強盗強姦などゝ刃物三昧や猫ナデ声....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
っくり占めているから、部屋の点では、武蔵新田の方がいい。しかし、その本質に於ては雲泥の相違があるし、新田は要するに、ただのパンパン街にすぎない。 東京パレスは....
恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
謹厳の士なり。酒色を好まず、出たらめを云わず、身を処するに清白なる事、僕などとは雲泥の差なり。同室同級の藤岡蔵六も、やはり謹厳の士なりしが、これは謹厳すぎる憾な....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
てあるのも嫌って、あたりを綺麗にかたづけた上で、客に対っていたあの潔癖に比べると雲泥の差であるが、かえってこの方が親しみ深くもあった。 藤村はそれからやがて小....
西航日録」より 著者:井上円了
紳士の遊覧輻湊する所なり。あたかもわが大磯に比すべきものなり。されど、その比較は雲泥の差あり。海岸数里の間遊歩場あり、また海中に幅およそ十間、長さ三百間以上の桟....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
寞荒涼を極め、目を慰むべき風景なし。これを一言すれば殺風景なり。わが国の野外とは雲泥の相違あり。午後四時帰宅す。夜に入りて天ようやくはれ、一輪の秋月北天に懸かる....
良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
る方ではないかと考えている。仮に良寛様の書風に相似たところがあるとしても内容には雲泥の相違がある。法帖で見るところの懐素の書は、まず第一に描線の運行が、素直なも....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
本は今、生きるか死ぬかという生活をしている。従って少くとも経済の部面においては、雲泥の差があることは、常に考えていなければならない。アメリカの姿をそのまま日本に....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ります。 今日、いろいろ実地の科学も進みまして、昔と較べて生活上に便利なことは雲泥の相違であります。これは俗諦の進歩であります。すなわち文化の恩沢でありまして....