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「雲海〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雲海の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
斗南先生」より 著者:中島敦
雲海蒼茫 佐渡ノ洲 郎ヲ思ウテ 一日三秋ノ愁 四十九里 風波悪シ 渡ラント欲スレ....
石狩川」より 著者:本庄陸男
次第に彼らの心から、虫のいい思いが消えて行った。目路《めじ》をさえぎる灰色の雪が雲海のように蔽《おお》いかぶさり、吹きあげた粉末の雪の中には降りつける粒雪を見た....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
それっきり救援の飛行機も、こっちへ追駈けてこなくなった。 ただ涯しなく拡がった雲海のうえを、気球は風のまにまに漂流しつづけるのであった。その外に、生物の影は、....
浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
雨天のため酒で過し、次で夜中に出立して浅間に登った。まだ夜明け前に噴火口を覗き、雲海の上の日の出を迎え、更に噴火口の縁に長時間佇み、別所は全く「噴火口の中に没入....
自由人」より 著者:豊島与志雄
やった。長い間じっとしていた。 ふと、大事なことに思い当った。昨夜来のことを、雲海の上につき出てる山の峯々を飛び歩くような思いで、飛び飛びに辿っているうち、胸....
新春・日本の空を飛ぶ」より 著者:坂口安吾
だけ、真上からでは下の山々にはヒダだけで高さが存在しない。 静岡、清水をすぎて雲海の上へでる。青空の深さ。太陽の白光の強烈なきらめき。熱気が顔にやきつく。高度....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
っている。煖房は完備しているし、どういう仕掛だか空気は常に室内に充満しているし、雲海の上へでるとアスファルトの路上を高級自動車で走るよりも動揺がないし、プロペラ....
回想録」より 著者:高村光太郎
それと同じ時代に、盲人が杖を持って河を渡っているところの彫刻があるが、これは米原雲海さんが拵えた悪どいものだが、それも父の名前になっている。 そういう実際には....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
めました。何しろこのような大きなものだから、弟子を使ってやりました。その頃|米原雲海氏も私の宅に来ていたので手伝い、また俵光石氏も手伝いました。 娘のことで、....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
なって来ていました。 谷中に来て第一に弟子にしてくれといって訪ねて来た人は米原雲海氏でありました。 この人は出雲の国、安来の人、この頃|流行っている安来節の....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
洋画家川上冬崖氏の孫で、私の弟子となり、美術学校卒業後今日に及んでいる。 米原雲海氏が島根出身という処から、郷党に感化を及ぼしたのであろうか。島根県からは二、....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
先に進み出た嘆美者の如くに額を伏せて寄り添っている。祖父岳のひだり目も遥かに続く雲海のただ中に、独り青磁の香炉を捧げて天外の風流を楽しんでいるのは浅間山であろう....