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「雲竜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雲竜の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
りに重い釘隠《くぎかくし》を打って、動かぬ春の床《とこ》には、常信《つねのぶ》の雲竜《うんりゅう》の図を奥深く掛けてある。薄黒く墨を流した絹の色を、角《かく》に....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
足に踏まえた者、香炉に向かって坐っている者、合掌し結跏し趺坐している者、そうして雲竜に駕している者……千態万状の羅漢の像が、昨日今日|鑿で彫ったかのように、鮮か....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
らへ向けていましたが、その銃身に象嵌《ぞうがん》した金と銀と赤銅《しゃくどう》の雲竜が、蝋燭の光でキラキラとかがやきます。 双方は暫らく無言で睨《にら》め合っ....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
》一枚、二の腕から、胸から、太股一めん、青黒い渦のようなものが見えるのは、定めて雲竜の文身《がまん》でもしているらしく、白目がぎょろついている男だ。 うなずい....
名娼満月」より 著者:夢野久作
頬冠りや向う鉢巻で群がっている穢苦しい老若は、近郷近在の百姓や地主らしい。正面に雲竜の刺青の片肌を脱いで、大胡坐を掻いた和尚の前に積み上げてある寺銭が山のよう。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
よしよし」 ひきつづき、二人の子供のために、絵師は筆を揮って、忽《たちま》ちに雲竜《うんりゅう》と奴《やっこ》とを描き上げた腕前は、素人《しろうと》の米友が見....
貧乏」より 著者:幸田露伴
鉢の横に侍坐せしめられ、駕籠屋の腕と云っては時代|違いの見立となれど、文身の様に雲竜などの模様がつぶつぶで記された型絵の燗徳利は女の左の手に、いずれ内部は磁器ぐ....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
ます。彼地へ往らっしったお方は御案内でいらっしゃいますが、社殿は槻の総彫で、花鳥雲竜が彫って極名作でございます。是は先代の茂木佐平治氏が建立致したのでございます....
丹下左膳」より 著者:林不忘
って丹下左膳が姿を消した。 降って湧いたこの椿事《ちんじ》! 離れたが最後、雲竜相応じて風を起こし雨を呼び、いかなる狂瀾怒濤《きょうらんどとう》、現世の地獄....
立札」より 著者:豊島与志雄
いました。 室の片隅の衣裳箪笥の前の小卓には、脱ぎすてられたままのものらしく、雲竜の華麗な刺繍のある衣裳や、艶やかな銀狐の毛皮の襟巻や、その他の絹類が投げ出さ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
(この鳥居は後で見たら、中央からポックリと両つに折れていました。これは柳川力士|雲竜久吉が納めたもので、その由を彫ってあった)仲店を仁王門に向って、伝法院へ這入....