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雲行き
「雲行き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雲行きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ロック革の巻煙草入れを出した。
「当年は梅雨《つゆ》が長いようです。」
「とかく
雲行きが悪いんで弱りますな。天候も財界も昨今のようじゃ、――」
お絹の夫も横合....
「或る女」より 著者:有島武郎
うな鋭いひとみを声のするほうに送らずにはいられなかった。
ある日の午後、それは
雲行きの荒い寒い日だった。船客たちは船の動揺に辟易《へきえき》して自分の船室に閉....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ほう、えらいけんまくだな。では、しかたがねえや。ひとりで出かけようぜ」 伝六の
雲行きがすばらしく険悪でしたので、右門は笑いわらい濠《ほり》ばたのほうへ曲がって....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んやりしているところはねえんですがね、今から両国へ気保養に行くんだから、だんなの
雲行きの変わらねえうちに、はええところいっちょうらに着替えろと、火のつくようにせ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
。検死を済ましゃ、埋葬許可をしたも同然だから、そういって追っ払いなよ!」 少し
雲行きのよろしくないところへ、ご念の入りすぎた手紙でしたから、吐き出すようにいっ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ざわざ碁盤を持ち出してみなくっても、わかりそうなもんじゃござんせんか」 伝六の
雲行きがとりつくしまのないほどにも、ひどく険悪でしたものでしたから、苦笑しいしい....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
「さ! 伝六ッ。駕籠だッ、駕籠だッ。例の駕籠だよ!」 しかるに、あいきょう者の
雲行きが少しばかり険悪なので。いつもこれが名人の口から飛び出せばもうしめたもんだ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
だんな!」 「…………」 「ちぇッ。せめて相手になとなっておくんなさいよ、この
雲行きじゃ、辰の野郎め、ご印籠どころじゃござんせんぜ。雪中を大きにご苦労だった。....
「わが町」より 著者:織田作之助
た。 「――わいがお前らの厄介にならん言うのを、そんな風にとってたんか、阿呆!」
雲行きが怪しくなったので、〆団治はあわてて、 「まあ、まあ」 と、仲にはいり、....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
児を相手に出来るのは細川勝元だけであった。 戦乱の勃発 唯ならぬ
雲行きを見て、朝廷は、文正二年三月五日に、兵乱を避ける為め改元をした。応仁とは、....
「発掘した美女」より 著者:坂口安吾
ンがこれを見逃してくれる筈がない。あの娘をヨメにもらわなければおさまらないような
雲行きである。 待ちかねているところへ、一夫が娘との長い散歩から戻ってきた。 ....
「キド効果」より 著者:海野十三
た。椎名咲松の殺されたことは公けに対しての挑戦と見られた。そこで事件は俄然複雑な
雲行きとなって、其の筋では其処に立ち現れた偽のロボット犯人をオイソレと受取って処....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
再婚を知ったときの女王さまの怒りや、世のとかくの陰口は、やがては忘れられる一つの
雲行きにすぎなかったが、エセックスが女王の輝かしき寵臣レスター伯の継子になったと....
「海のまぼろし」より 著者:小川未明
い胸のうちを知るものがなかったのです。北国の三|月は、まだ雪や、あられが降って、
雲行きが険しかったのであります。あわれな娘の兄は、こうした寒い日にも、生活のため....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ってぽつりぽつりと雨さえばらつき出すと、風までが、これに加わって、どうにも怪しい
雲行きと変って来た。 「今夜はともするとひどい時化になりますよ。」 すれちがい....