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雲雀
「雲雀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雲雀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
は、今までにない幸福の意識が波立っていた。河原蓬も、空も、その空に一羽啼いている
雲雀《ひばり》も、ことごとく彼には嬉しそうであった。彼は頭《かしら》を挙げて歩き....
「百合」より 著者:芥川竜之介
輪を描《か》いた後《のち》、素直に良平の云う事を聞いた。
晴れた空のどこかには
雲雀《ひばり》の声が続いていた。二人の子供はその声の下に二本芽《にほんめ》の百合....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
れをよしと見給うだろう。兄弟の日、姉妹の月は輝くのに、人は輝く喜びを忘れている。
雲雀は歌うのに人は歌わない。木は跳るのに人は跳らない。淋しい世の中だ」 また沈....
「聖書」より 著者:生田春月
人の本当の人間らしい叫びを説明だなどと貶すのは僭越じゃありませんか。シェレイの『
雲雀の歌』などを持って来て、意味ありげな言葉をつなぎ合せて、でっち上げたばかりの....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
(色やや嶮し)随分、勝手を云う。が、貴女の美しさに免じて許す。歌う鳥が囀るんだ、
雲雀は星を凌ぐ。星は蹴落さない。声が可愛らしいからなんです。(女房に)おい、注げ....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
田の紫雲英、残の菜の花、並木の随処に相触れては、狩野川が綟子を張って青く流れた。
雲雀は石山に高く囀って、鼓草の綿がタイヤの煽に散った。四日町は、新しい感じがする....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、なれども日頃の鬱懐を開いて、思うままに舞台に立ちます、熊が穴を出ました意気込、
雲雀ではなけれども虹を取って引く勢での……」 と口とは反対、悄れた顔して、娘の....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
たさ、貴方。 幇間が先へ廻って、あの五重の塔の天辺へ上って、わなわな震えながら
雲雀笛をピイ、はどうです。 そんな我儘より、もっと偉いのは、しかもその日だって....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
社、三大画伯、御写真―― よって釈然とした。紋の丸は、色も青麦である。小鳥は、
雲雀である。 幅広と胸に掛けた青白の糸は、すなわち、青天と白雲を心に帯した、意....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
上げながらおかあさんがいのりますと、そこに蝶のような羽ばたきをさせながら、小さな
雲雀がおりていました。そしてそれが歌をうたいますと、雄羊は例の灰色の土塊の中にす....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
の下に桃谷というのがあって、谷間の小流には、菖蒲、燕子花が一杯咲く。頬白、山雀、
雲雀などが、ばらばらになって唄っているから、綺麗な着物を着た間屋の女だの、金満家....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
中に倒れているのに気がついたのでした。それは、お日様が温く照っているのを見たり、
雲雀の歌を聞いたりして、もうあたりがすっかりきれいな春になっているのを知りました....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
に似ています。そちこち陽炎や、糸遊がたきしめた濃いたきもののように靡くでしょう。
雲雀は鳴こうとしているんでしょう。鶯が、遠くの方で、低い処で、こちらにも里がある....
「錦紗」より 著者:犬田卯
いていると花火のことも着物のことも気にならない。ぽかぽかと暖かい日光、大空に囀る
雲雀、茶株で啼く頬白、ああ、春ももうあといくらもないのだ。菜の花の匂いを送ってく....
「米」より 著者:犬田卯
く伸びた耕地にまで輝き渡って来た。畑地の方の薄い靄を含んだ水のような空には、もう
雲雀が高く揚って、今日一日の歓喜を前奏しつつあった。 荷を下ろすより早く彼らは....