雲集[語句情報] »
雲集
「雲集〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雲集の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
ら投げられたひと塊の砂糖を目がけて集まる蟻《あり》のように、百貨店の取った商策に
雲集してきたのであった。 しかし、爺はどうしてもそこを突き抜けなければならなか....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
すなの満員状態を呈した。下では幾流れとなく板を並べた上に食器を並べて、避難民式に
雲集した書生や壮士が入代り立代り飯を喰うので毎日毎日戦争のような騒動である。また....
「ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
るからである。三原山投身者が大都市の新聞で奨励されると諸国の投身志望者が三原山に
雲集するようなものである。ゆっくりオリジナルな投身地を考えているような余裕はない....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は一切、道庵の眼中になく、一休禅師の筆蹟だけは相当丹念に見ました。一休自筆の「狂
雲集」というやつも見て、しきりに首をひねったり、その末期《まつご》の書だというの....
「桐生通信」より 著者:坂口安吾
隠匿財産を白状しろとつるし上げがはじまったのだ。 夜が明けるとヤジ馬が店の前に
雲集したが、被害者が百人だから店内がまた立入りの余地もない。つるし上げる者、ソロ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
三年に優秀な真珠貝の産地であることが発見されて、諸国から真珠貝採取船や、仲買人が
雲集し、銀行も出張して、真珠景気の盛大なこと。明治十八年には日本の潜水夫もこの島....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
い。法神流なぞというのは山猿相手の田舎剣術だ。江戸は将軍家のお膝元。天下の剣客の
雲集するところ。気のきいた名人上手が山猿などを相手にするはずはない。その理由をさ....
「けむりを吐かぬ煙突」より 著者:夢野久作
見えた。 彼女の事業に共鳴し、彼女の仕事のために奔走する紳士淑女が彼女の周囲に
雲集した。彼女の事業を援助する興行物は必ず大入満員を占めた。 新聞や雑誌は争う....
「鯉」より 著者:岡本綺堂
その法会を営んだ。鯉の七々忌などというのは前代未聞であるらしいが、当日は参詣人が
雲集した。和泉屋の奉公人らはみな手伝いに行った。梶田さんも無論に働かされて、鯉の....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、評判が良くなり、この後十年間は上流社会の人達がデビーの講義を聞くために、ここに
雲集した。しかし財政は依然として余り楽にもならず、後で述べるように、デビーが欧洲....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
年(1906)八月に滋賀県の人々の主催で、近江伊吹山植物講習会が開かれ、四方から
雲集した講習員は約三百名もあった。そしてこの会に講師として招かれ東京から赴いた私....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
げうって恬然《てんぜん》たるは常住茶飯事《まいどのこと》。合衆国|河岸《がし》に
雲集する紳士淑女と高価なる花束を投げ合い、さて軽歩して競技場《スタアド》に至れば....
「上野」より 著者:永井荷風
外ニ懸ル。彩霞波ヲ掩ヒ不忍ノ湖ハ頓ニ水色ヲ変ズ。都人士女堵ヲ傾ケ袂ヲ連ネ黄塵一簇
雲集群遊ス。車馬旁午シ綺羅絡繹タリ。数騎銜ヲ駢ベ鞍上ニ相話シテ行ク者ハ洋客ナリ。....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
を見る。しかして、遠近に連山の起伏せるを望む。チューリヒは目下観光の客、四方より
雲集し、旅館ほとんど空室なし。晩に至り納涼の客湖畔を徘徊し、橋上の来往織るがごと....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
古今集』以後の和歌集が勅によって撰ぜられたのは、『経国集』・『文華秀麗集』・『凌
雲集』などの詩集が勅によって撰ばれたのに倣ったのであるが、一度『古今集』が出てか....