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「雲霞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雲霞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
英雄の器」より 著者:芥川竜之介
今日の戦ですな。烏江《うこう》に追いつめられた時の楚の軍は、たった二十八騎です。雲霞《うんか》のような味方の大軍に対して、戦った所が、仕方はありません。それに、....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
晴れの日には小さい竹|竿を持って往来に出ると、北の方から無数の赤とんぼがいわゆる雲霞の如くに飛んで来る。これを手当り次第に叩き落すと、五分か十分のあいだに忽ち数....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
いくら家畜をみずかっても、自分の所得となるものは、何一ツなかった。旱魃があった。雲霞のような蝗虫の発生があった。収穫はすべて武器を持った者に取りあげられてしまっ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
クセプトしないのに愛の表現をしいることは押しつけがましき不作法である。山に隠れて雲霞を友として生きている仙人を無用意に驚かすことは心なき業である。あるいはデリケ....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
ろたった一人だというが、ゆだんはならない。第一番に偵察者がやって来て、そのあとに雲霞《うんか》のようにおびただしい月人隊がおし寄せるのかもしれない。 カンノ博....
地球要塞」より 著者:海野十三
界に没した。 それから間もなく、海水の色がかわり、潮の流れがまるで違ってきた。雲霞のごとき、魚群を、いくたびとなく蹴散らしながら、全速力をつづけること小一時間....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
でワールド・シリーズの野球観覧をするときの見物人のような有様で、詰めかけていた。雲霞のような原地人軍は、ついに前方五千メートルの向うの丘のうえに姿を現した。 「....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
体から離れて幽界へなだれ込む。すると其所には、残忍性にとめる在来の堕落霊どもが、雲霞の如く待ち構えていて、両者がグルになって、地上の堕落せる人間に働きかけるから....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
た。 先に立ったは来島十平太で、後に続いたのはゴルドン大佐、そうしてその後から雲霞のように続々として現われ出でたのはゴルドンの引率した二十人の兵と、十平太の率....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
たのであった。 検事長の論告が終ると、法廷内ががやがやして来た。それはあたかも雲霞のような大きな青蠅の群が、その囚人がまもなくどうなるかということを見越して、....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
した。有栖川宮熾仁親王を征東大総督に仰ぎまつり、西郷隆盛参謀、薩長以下二十一藩、雲霞の如き大軍は東海東山、北陸から、堂々として進出した。そうして三月十五日を以て....
剣侠」より 著者:国枝史郎
ということじゃ。……治承四年十月の候、源頼朝が府中の南、分倍河原に関八州の兵を、雲霞の如くに集めたが、その時の費用もその金であり、ずっと下って南北朝時代となり、....
思い出草」より 著者:岡本綺堂
で、秋晴の日には小さい竹竿を持って往来に出ると、北の方から無数の赤蜻蛉がいわゆる雲霞の如くに飛んで来る。これを手当り次第に叩き落すと、五分か十分の間に忽ち数十|....
五重塔」より 著者:幸田露伴
を慫慂めて喜捨せしむる信徒もあり、さなきだに平素より随喜|渇仰の思いを運べるもの雲霞のごときにこの勢いをもってしたれば、上諸侯より下町人まで先を争い財を投じて、....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
脂の大いなるうねりに幾万となく群集して膃肭獣の花嫁|成牝らは来る。 しかもまた雲霞のごとく後から後から押し寄せるのだ。 北海の黎明である。 雲は微茫のうち....