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零下
「零下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
零下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
何物かを見たのだ。
ユートピア※ 数マイル切り下《お》れた大空洞の底。そこは、
零下六十七度の地表とはちがい和《なご》やかな春風が吹き、とうてい想像もできぬよう....
「弓町より」より 著者:石川啄木
て、川さえおおかた姿を隠した北海道を西から東に横断して、着てみると、華氏《かし》
零下二十―三十度という空気も凍《いて》たような朝が毎日続いた。氷った天、氷った土....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
また通過させない物体が自分自身で輻射する熱量はその物体の絶対温度(すなわち、摂氏
零下二七三度を基点として数えた温度)の四乗に比例する。また後者の法則はこのような....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ことができれば、十年を一年にちぢめることは、たやすいことである。逆に温度を下げて
零下二百七十三度という絶対温度にすると、万物ことごとく活動は止まってしまう。そう....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ページには、 翌五月十六日、依然天候は険悪、吹雪はますます激しい。天幕内の温度
零下五十二度。嚢内からはく呼吸は毛皮に凍結し、天幕のなかは一尺ばかりの雪山だ。す....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
はり、三、四月頃の岩に雪が凍りついたときだろう。今日は風も無く暖かい。奥穂頂上で
零下二度。これは明日の大雨の前兆だった。北穂も思ったより簡単に登れた。 二十四日....
「春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
の道は左にある。頂上近くでいよいよ風が烈しくなる。温度は大したものでなく、摂氏の
零下四度を示していた。まつ毛は凍って白い。徳本の頂上の道よりちょっと南に出た。東....
「春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
もあろう。猟師の入る小屋なら大丈夫である。 四月なら吹雪さえしなければ、摂氏の
零下六度ぐらいで、大して下りはしない。小屋なら零度か一度ぐらいで楽に寝られる。 ....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
空気もなく水もないし太陽が直射すると摂氏の百二十度にも上るのに、夜となれば反対に
零下百二十度にも下ってしまうという温度の激変があって、とても生物が住めない状態に....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
う。 それよりも同車の満鉄のG氏が、私の肘を掴まえて大声に話している。 『列氏
零下五度、こまかい雪が降っていましてね、猛烈に寒い朝でしたよ。ピストルの音ですか....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
フィリップ・モウリスの上等の刻み煙草を計って、自分で混ぜて、晩餐後のヴェランダで
零下七度の外気へゆっくりと蒼い煙りを吹き出す習慣のあったことも、例の大陸朝飯を極....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
けで、しかしそれきりでした。はじめはぷりぷりしてみました。そのうちがっかりして、
零下何度のごきげんになってしまいました。幸福のうわおいぐつは、この人をこんななさ....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
毛沼博士の変死 二月十一日、即ち紀元節の日だが、この日はひどく寒く、午前六時に
零下五度三分という、東京地方には稀な低温だった。私は前夜の飲過ぎと、学校が休みな....
「桜の園」より 著者:神西清
ニャーシャ かしこまりました。(退場) エピホードフ 今ちょうど明け方の冷えで、
零下三度の寒さですが、桜の花は満開ですよ。どうも感服しませんなあ、わが国の気候は....
「山の春」より 著者:高村光太郎
でも、もう冬ではなくて春の一部にはちがいないので、雪は降っても又目立って解ける。
零下一〇度程度の寒さはすくなくなり、屋根からは急にツララがさかんにぶらさがる。ツ....