零細[語句情報] » 零細

「零細〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

零細の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
処女崇拝は処女たる事実を知った後に始まるものである。即ち卒直なる感情よりも零細なる知識を重んずるものである。この故に処女崇拝者は恋愛上の衒学者《げんがくし....
或る女」より 著者:有島武郎
う。なぜ世の中は自分のようなものをあわれむしかたを知らないのだろう。そんな感じの零細な断片がつぎつぎに涙にぬれて胸を引きしめながら通り過ぎた。葉子は知らず知らず....
広津氏に答う」より 著者:有島武郎
ことであったかは、遽《にわ》かに断定さるべきではないと私は思うものだ。もし、私の零細な知識が、私をいつわらぬならば、ロシアの最近の革命の結果からいうと、ロシアの....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
。もちろん、なかなかその穴に玉がはいらないので、一個ころがすのが一文というような零細な金高でもけっこう商売になる遊びですが、名人がまたひどくおもしろそうに、ころ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
えことだっさかい。それになんだんねん……」電車会社の慰藉金はなぜか百円そこそこの零細な金一封で、その大半は暇をとることになった見習弟子に呉れてやる肚だった。そん....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
に成功して相当の産を作った例外の例があっても、斯ういう文壇の当り屋でも今日の如く零細なる断片的文章を以てパンに換える事は決して出来なかった。 夫故、当時に在っ....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
犯人などにも、同様な家族的|掩護があるのじゃないかと考える。たとえば五十年営々と零細な貯蓄をして老後の安穏を願っていた人とか、親ゆずりの多少の家産でともかく今日....
遺恨」より 著者:坂口安吾
いのである。昔の大学生は家庭教師をしたり、新聞配達をしたり、大いに深刻に労働して零細な学資をかせいだが、今の大学生は深刻なる労働などは却ってお金にならないことを....
三十歳」より 著者:坂口安吾
。 私はまったく無能力者であった。私の小説などは一年にいくつと金にならず、概ね零細な稿料であり、定収にちかいものといえば、都新聞の匿名批評ぐらいのもの、それと....
学生と教養」より 著者:倉田百三
力は無論幼児の手袋を買ってやる方にはたらいている。客観的事実の軽重にしたがって、零細な金を義捐してもその役立つ反応はわからない。一方は子どものいたいけな指が守れ....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
も、軍資金を豊富に持って、穴を狙えば、もうかる確率が多くなる。 気の毒なのは、零細の金で、まともにモウケようとする大多数の正直な人々で、この人たちが損をする確....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
銭に対してもその価値を知っていて、同じ使うにも使いどころをわきまえている。たとえ零細な金でも無駄な支出はしません。そうして日常つつしみ深くあるとともに、業務の方....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
れば明治十二年である。果してこの年であれば鶴見が戸籍面四歳の時である。 もっと零細な記憶の破片なら幾らでも拾われよう。そうは思うものの、その数はいたって少ない....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
然るに新聞紙の材料は巧遅なるよりは拙速を重んじ、堂々たる大論文よりは新鮮なる零細の記事、深く考慮すべき含蓄ある説明よりは手取早く呑込む事の出来る記実、噛占め....
文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
は、前に述べた観察と錯綜し纒綿する。 思索の分野は、実に無限である。人生自然の零細な断片的な投影に過ぎないものでも、それはわれ/\の注意力如何によって極めて微....