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「雷火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雷火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年」より 著者:芥川竜之介
屋の子の小栗《おぐり》はただの工兵《こうへい》、堀川保吉《ほりかわやすきち》は地雷火《じらいか》である。地雷火は悪い役ではない。ただ工兵にさえ出合わなければ、大....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を見あげながら云った。「これじゃあ何かの怪談もありそうだ」 門内にはそのむかし雷火に打たれたという松の大木がそのままに横たわって、古い石甃《いしだたみ》は秋草....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
る問いに対しても努めてことば寡なに答えていた。 「六月二十三日の晩、尾張屋の娘が雷火にうたれた時、おまえが一番さきに見つけたのだな」 「はい」 「その時に、雷獣....
蠅男」より 著者:海野十三
ューンと呻りを生じて落ちてきた。その勢いの猛烈なことといったら、地面に落ちて、地雷火のように泥をはねとばし、壊れ自動車に当っては、鉄板をひきちぎって宙に跳ねあげ....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
いうものは無いのですが、それでも交代に大阪の城へ詰めさせられます。大阪城の天守が雷火に焚かれたときに、そこにしまってある権現様の金の扇の馬標を無事にかつぎ出して....
運命」より 著者:幸田露伴
颶母まさに動いて、黒雲飛ばんと欲し、張玉、朱能等の猛将|梟雄、眼底紫電|閃いて、雷火発せんとす。燕府を挙って殺気|陰森たるに際し、天も亦応ぜるか、時|抑至れるか....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
は無い。鞭声《べんせい》粛々夜河を渡った彼《か》の猛烈な謙信勢が暁の霧の晴間から雷火の落掛るように哄《どっ》と斬入った時には、先ず大抵な者なら見ると直に崩れ立つ....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
みんな中りまして、号外より前に整然と心得ているくらいは愚な事。ああ今頃は清軍の地雷火を犬が嗅ぎつけて前足で掘出しているわの、あれ、見さい、軍艦の帆柱へ鷹が留った....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
神の行為を働いているように感じられ、われわれの上に重く渦巻いている黒雲のうちから雷火がひらめき来たって、彼を灰にしてしまえと、わたしは心ひそかに祈りました。 ....
怪しの者」より 著者:国枝史郎
「こいつ湿らせちゃア大変だ」 「変な物だねえ、何なのさ?」 「いってみりゃア地雷火さ。普通にゃ落火というが」 「地雷火? まア、気味の悪い……どうしてお前さん....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
の露払い まんまと道案内しようとの魂胆。 何んでもやるがよいわ。おのが仕掛けた地雷火で、 打ち上げられるを見るも一興。 先で穿つ穴よりも、三尺下を此方が掘り 月....
怪談劇」より 著者:岡本綺堂
の小手調べとして、去年の夏は本郷座に「牡丹燈記」を上演し、今年の春は歌舞伎座に「雷火」を上演してみたが、どちらも舞台の上ではやはり成功しなかった。 在来の怪談....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
面の秋草に埋められて、おどろに乱れた茅は人の丈を越えていた。その草むらの中には、雷火に打たれたらしい松の大樹の幹が横たわっていた。男は小坂部の手をひいて、足もと....
註文帳」より 著者:泉鏡花
ら、出来るだけ仕事をさせろ。愚図々々|吐すと、処々に伏勢は配ったり、朝鮮伝来の地雷火が仕懸けてあるから、合図の煙管を払くが最後、芳原は空へ飛ぶぜ、と威勢の好い懸....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。あなたですか。 (ファウスト眼球を旋転せしめ、四辺を見廻はす。) あなたは雷火を天から借りて来て、わたしを焼こうとでも思うのですか。死ぬることのある人間に....