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雹
「雹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ゆく。巨峰、鋸歯状の尾根が層雲をぬき、峡谷は濃霧にみち、電光がきらめく。そして、
雹《ひょう》、石のような雨。またその間に岩陰に目をむく、土族を追えば黒豹におどさ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。 三 表へ出ると、利八と善八が待っていた。今鳴った雷の音につれて、
雹のような大粒の雨がばらばらと落ちて来たので、利八はしばらく雨やどりをして行けと....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
陽気の加減か、その年は十月の末に颶風のような風がふき出して、石ころのような大きい
雹が雨まじりに降る。それと一緒にひどい雷が一|時あまりも鳴りひゞいたので、江戸中....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
には、絞首台に上った罪人が地獄に堕ちる――その時の雷鳴を聴かせるというところに、
雹のような椀太鼓の独奏がありましたっけね。そこに私は、算哲博士の声を聴いたような....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
くこんな中で死ねれば有難いと思った。 畝もある。なかには氷罅もある。ときどき、
雹のようなのがばらばらっと降ったり、粉塩を小滝のように浴びることがある。と、ふと....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
のは栗色をした兎である。ケーンケーンと森の奥から雉の啼き声が聞こえて来る。時々|
雹でも降るかのように林の中から聞こえて来るのははぜた大栗が転がり落ちるのである。....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
た、姫路野の一里塚のあたりをお見な。暗夜のような黒い雲、眩いばかりの電光、可恐い
雹も降りました。鷹狩の連中は、曠野の、塚の印の松の根に、澪に寄った鮒のように、う....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
もぐんぐんと雲と雲の間を昇っていった。あたりは、岩窟に入ったように真暗で、そして
雹がとんでいた。折々ぴかりとはげしい電光が、密雲の間で光った。 それからどの位....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
こえがとびだすのと、同時であった。 「艇長。非常報告。只今本艇に向けて、宇宙塵が
雹のように襲来しました。損害調査中です」 宇宙塵? 宇宙塵とは、何であろうか。....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
夕、大夕立これあり、孫八老、其の砌某所墓地近くを通りかかり候折から、天地|晦冥、
雹の降ること凄まじく、且は電光の中に、清げなる婦人一|人、同所、鳥博士の新墓の前....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
いじょうぶ!」と、云う準之助氏の声も、次に、豆のはぜるような音を立てて襲って来た
雹雨の音に、かき消された。 二人は、一心に、径を下った。ゴルフ扮装の準之助氏は....
「博物誌」より 著者:岸田国士
かない。 彼は、一口も残すまいとする。 落着かなくなって尻尾を振るでもない。
雹がからだにばらばらと当ると、ようやく、それも不承不承|唸る―― 「うるせえやつ....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
た私共は、叔母様の叫び声に近い言葉に跳ね起きました。大砲を打つと言うのです。黒い
雹を降らせる密雲が北の方からやって来ると言うのです。私は一寸軽蔑したいような気持....
「秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
商に関する文書来たるや「遠く信書を伝えられ、之を抜き、之を読むこと、蓮華床にして
雹雪の語を聴くが如し」という、至極巧妙な外交辞令を用いて相手を喜ばせ、尚、日本よ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ベットでは夢にも見る事の出来ない立派な道である。
私の出て来た歳には殊に大きな
雹が降った。その
雹は雪山の名物ともいうべき物で、私は一度ネパールの中で出逢った事....