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「電火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

電火の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
特有な火のような情熱がひらめいて、その目は鋭く輝いたり涙ぐんだりしていた。木村は電火にでも打たれたように判断力を失って、一部始終をぼんやりと聞いていた。言葉だけ....
明暗」より 著者:夏目漱石
していた夫人の方でも、すぐ眸《ひとみ》をお延の上に移した。しかし咄嗟《とっさ》の電火作用は起ると共に消えたので、二人は正式に挨拶《あいさつ》を取《と》り換《かわ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
挟《たばさ》みて、今や/\とぞ待ちたりける、夜半過ぐるほどに、雨風一通り過ぎて、電火の激する事|隙《ひま》なし、暫《しばら》くあつて比良《ひら》の高峯《たかね》....
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
の種子が一部は太陽から借りられたものであるとの考えも正鵠を得ていると言われうる。電火の驚くべき器械的効果は、きわめて微細なる粒子が物質間の空隙を大なる速度で突進....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
。これとても、御恩の姫君。事おわして、お召とあれば、水はもとより、自在のわっぱ。電火、地火、劫火、敵火、爆火、手一つでも消しますでしゅ、ごめん。」 とばかり、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
う間違ったのか、その名状し難い妙な身構えから、両わきにかい込んだ拳《こぶし》が、電火の如く飛びだして、白雲の首からあごへかけて、したたかになぐりつけたものですか....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
三十分とたたないうちに、空中に漂ってたものは消散しつくした。あたかも雷を伴わない電火のようなものだった。孤立しながら固執する者らの上に人民の冷淡さが投げかける鉛....
空家」より 著者:宮崎湖処子
とくして遁げ走りたるも、足はただ同じ地のみを踏める間に大蛇はすでに寸後にせまり、電火のごとき二条の舌ズッと彼が頸《くび》を嘗《な》めたり、彼はみずから驚く声に目....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
落ちて来る。 世界は殆ど泥水の底に埋められんとするのである。 七十 その上に強い電火が天の全面をば、間断なくかつ縦横無尽に光り渉る、これに接する者は直ちに電殺さ....
迷信解」より 著者:井上円了
せることの、後に発覚せざるための予防策である。もし人為にあらざれば、燐火もしくは電火ならんかと思う。また、蓑火あるいは蓑虫と称するものがあるが、江州および越後地....
活人形」より 著者:泉鏡花
見せるとおもえば、早くもお藤を小脇に抱き、身を飜えして部屋を出でぬ。まことに分秒電火の働き、一散に下階へ駈下りて、先刻忍びし勝手口より、衝と門内に遁れ出づれば、....