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電鈴
「電鈴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
電鈴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
めながら、もどかしそうに下駄《げた》の底を鳴らしていた。
その内にやっと発車の
電鈴《ベル》が響いた。
「じゃ行って来給え。」
俊助は鳥打帽の庇《ひさし》へ手....
「赤外線男」より 著者:海野十三
橋脚の方へ向け、この赤外線を通し、西の方に光電管をとりつけ、光電管から出る電気で
電鈴の鳴る仕掛けを圧えておく。若し匪賊が出て、この橋脚に近づき、赤外線を遮ると、....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
な気がされることであろうが、アパートを出てからここまで、正味四五分の時間だった。
電鈴を押すと、すぐに人が出て来たのは意外だった。迎えてくれたのは、三十四五の、涼....
「蠅男」より 著者:海野十三
れてゆくような心細さが湧いてくるのであった。 チリチリチリ、チリン。 突然、
電鈴が鳴った。電話だ。 それは夢でも幻想でもなかった。たしかに室内電話が鳴った....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
※を見にまいりました。何故かと申しますなら、あの周囲にある七葉樹の茂みの中には、
電鈴を鳴らす開閉器が隠されているからでございます。するとどうでございましたろう。....
「光の中に」より 著者:金史良
来たからである。だが私はその次の瞬間、自分が現在は南と呼ばれていることがじーんと
電鈴のように五官の中へ鳴り響いて来るのを感じた。それで私は驚いたようにいつもの様....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
話器を耳に番をしていなくても、遭難の船から救いをもとめるとすぐ器械がはたらいて、
電鈴が鳴りだす仕掛になっているものだ。この器械の発明されない昔は、必ず無電技士が....
「橋」より 著者:池谷信三郎
。早く、早く、非常口へ! 廊下には、開けられた無数の部屋の中から、けたたましい
電鈴の音。続いてちょうど泊り合せていた露西亜の歌劇団の女優連が、寝間着姿のしどけ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
再び旧の場所に戻して、八住は発艇の合図をした。 艇がしばらく進むうちに、潜航の
電鈴が鳴り、検圧計に赤い電灯が点いた。そして機械全体が呻吟したような唸りを立てる....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
虚を衝かれたような気持を、わずかに爆笑でまぎらわせてしまった。が、その時、開幕の
電鈴が鳴った。 そして、次の幕――「エルシノア城外の海辺」が始まったのである。....
「扉は語らず」より 著者:小舟勝二
写された―― 仕入部の柱時計が長短針を直線につなぐ。午後六時の執務終了の第一|
電鈴が百貨店全体にジリリーッ! と響き渡る。彼は鍵を掴んで事務所を飛び出す。洋家....
「書記官」より 著者:川上眉山
すぐに取りかかろうぞ。よし。始めよう。猶予は御損だ急げ急げ。 身を返しさま柱の
電鈴に手を掛くれば、待つ間あらせず駈けて来る女中の一人、あのね三好さんのところへ....
「死体室」より 著者:岩村透
小使部屋へは、方々の室から、呼鈴の電線がつづいているので、その室で呼ぶと、此処で
電鈴が鳴って、その室の番号のついてる札が、パタリと引繰返るという風になっているの....
「城」より 著者:カフカフランツ
の電話が鳴ることでしょう、もし私がはっきり知っているように、ほとんどすべてのこの
電鈴装置が切られてなければね。だが、ときどき、疲れ切った役人たちが少しばかり気晴....
「審判」より 著者:カフカフランツ
た。ほとんど無意識に、ただこうした思いを片づけるために、彼は控えの間に通じている
電鈴のボタンに指でさわった。それを押しながら、時計を見上げた。十一時だった。二時....