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震
「震〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
震の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
四年の事でございます。御承知の通り二十四年と申しますと、あの濃尾《のうび》の大地
震《おおじしん》がございました年で、あれ以来この大垣《おおがき》もがらりと容子《....
「影」より 著者:芥川竜之介
のように、色を失った陳の額へ、冷たい脂汗《あぶらあせ》を絞り出した。彼はわなわな
震《ふる》える手に、戸のノッブを探り当てた。が、戸に錠の下りている事は、すぐにそ....
「彼」より 著者:芥川竜之介
りんてんき》のまわり出す度にちょうど小蒸汽《こじょうき》の船室のようにがたがた身
震《みぶる》いをする二階である。まだ一高《いちこう》の生徒だった僕は寄宿舎の晩飯....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
に失われて、明日《あす》からは人殺になり果てるのだと思うと、こうしていても、体が
震えて来る。この両の手が血で赤くなった時を想像して見るが好《い》い。その時の己《....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、薄赤い絹に包み始めた。
「では生きては居りませんのでしょうか?」
お蓮は声が
震えるのを感じた。「やはりそうか」と云う気もちが、「そんな筈はない」と云う気もち....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
に照らされた子供はまだ模糊《もこ》とした血塊《けっかい》だった。が、その血塊は身
震《みぶる》いをすると、突然人間のように大声を挙げた。
「おのれ、もう三月《みつ....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
うとこれも、色を失った顔を見せて、「御隠居様、――坊ちゃんが――御隠居様。」と、
震《ふる》え声で呼び立てました。勿論この女中の「坊ちゃんが――」は、お栄の耳にも....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
理智的には彼女の心もちを可也《かなり》はっきりと了解した。彼女は耳環《みみわ》を
震わせながら、テエブルのかげになった膝の上に手巾《ハンケチ》を結んだり解いたりし....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
んか》なんぞして、何がお前は面白いんだえ?」
母にこう叱られると、兄はさすがに
震え声だったが、それでも突かかるように返事をした。
「洋一が悪いんです。さきに僕....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
その時のおん悲しみ、その時のおん苦しみ、――我々は今|想《おも》いやるさえ、肉が
震《ふる》えずにはいられません。殊に勿体《もったい》ない気のするのは磔木の上から....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
音楽会へ出かけることもある。銀座通りを散歩することもある。………
主筆 勿論|
震災《しんさい》前でしょうね?
保吉 ええ、
震災のずっと前です。……一しょに音....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
る》を揚げねばなりませぬと、なおも重玄を刺《さ》さんとせし所へ、上様にはたちまち
震怒《しんど》し給い、筒《つつ》を持てと御意あるや否や、日頃|御鍛錬《ごたんれん....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
一度もないことだ。」
年とった支那人は怒《おこ》ったと見え、ぶるぶる手のペンを
震《ふる》わせている。
「とにかく早く返してやり給え。」
「君は――ええ、忍野君....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
げ出そうという計略は、すぐに見破られてしまうでしょう。ですから妙子は一生懸命に、
震える両手を組み合せながら、かねてたくんで置いた通り、アグニの神が乗り移ったよう....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
れる処へ行きたいという慾望でぶるぶる顫える。手を這う。手は殺したい慾求でわなわな
震える。それは、自由な、何よりすぐれた、自分の心を思うままにすることが出来る、上....