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「震動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

震動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
た庇《ひさし》に敷かれて、しばらくは無我無中のまま、どこからともなく寄せて来る大震動の波に揺られて居りましたが、やっとその庇の下から土煙の中へ這い出して見ますと....
或る女」より 著者:有島武郎
窓に近い舷《げん》にざあっとあたって砕けて行く波濤《はとう》が、単調な底力のある震動を船室に与えて、船はかすかに横にかしいだ。葉子は身動きもせずに目にその灰色を....
或る女」より 著者:有島武郎
か地獄《じごく》かそれは知らない。しかも何もかもみじんにつきくだいて、びりびりと震動する炎々たる焔《ほのお》に燃やし上げたこの有頂天《うちょうてん》の歓楽のほか....
星座」より 著者:有島武郎
矢《はっし》と打った。狭い機械室の中は響だけになった。園の身体は強い細かい空気の震動で四方から押さえつけられた。また打つ……また打つ……ちょうど十一。十一を打ち....
クララの出家」より 著者:有島武郎
ンの山の凱歌を千年の後に反響さすような熱と喜びのこもった女声高音が内陣から堂内を震動さして響き亘った。会衆は蠱惑されて聞き惚れていた。底の底から清められ深められ....
去年」より 著者:伊藤左千夫
片づけられる。あらたなるできごとをさとって、烈しく胸に響いた。話しするのもいやな震動は、互いに話さなくとも互いにわかっている。心理状態も互いに顔色でもうわかって....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
てあった。 “……高度二万八千メートルニ達セシトコロ、突然|轟音トトモニハゲシキ震動ヲ受ケ、異状ニ突入セリ、噴射機関等ニマッタク異状ナキニモカカワラズ、速度計ハ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
。いくら堅固につくられてあるとはいえ、さすがに鋼鉄の梁も壁も、気味わるくかすかに震動するのであった。 「あっ、あれは何の音だ」 「いやに不気味な音じゃないか。お....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
い。――ひとり気が昂ると一所に、足をなぐように、腰をついて倒れました。」 天地震動、瓦落ち、石崩れ、壁落つる、血煙の裡に、一樹が我に返った時は、もう屋根の中へ....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
が窘んで、そのまま欄干に凭懸ると、一小間抜けたのが、おもしに打たれて、ぐらぐらと震動に及ぶ。 「わあ、助けてくれ。」 「お前さん、可い御機嫌で。」 とニヤリと....
南地心中」より 著者:泉鏡花
うですぜ。亀が昇天するのかも知れません。板に上ると、その機会に、黒雲を捲起して、震動雷電……」 「さあ、出掛けよう。」 二人は肩を寒くして、コトコトと橋の中央....
星女郎」より 著者:泉鏡花
枚戸のような奴がまた恐しく辷りが良くって、発奮みかかって、がらん、からから山鳴り震動、カーンと谺を返すんです。ぎょっとしました。 その時です。 (どこへもいら....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
わッと響くのが一斉で、相撲が四五人どッと立った。いずれも大ものですから、屋鳴り震動の中に、幽に、トンと心細い音が、と見ると、お絹のその姿が階子段の上から真横に....
西航日録」より 著者:井上円了
平等定綱紀、人民同等無尊卑、汽車未設上中下、学校豈分官公私、斯邦前途誰得想、恐有震動世界時。 (独立して以来、まだ年数は浅いが、はやくも富強の基を作り上げた。電....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
当国は南米中のほかの諸国に比するに、最勝の地位にありて、将来の発展必ず南米全陸を震動するに至らんこと、決して疑うべからず。これを既往に考うるに、独立以来わずかに....