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「霊山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

霊山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星あかり」より 著者:泉鏡花
寝て居たばかり、事なく着いたのは由井ヶ浜である。 碧水金砂、昼の趣とは違って、霊山ヶ|崎の突端と小坪の浜でおしまわした遠浅は、暗黒の色を帯び、伊豆の七島も見ゆ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
行かれたという噂だが。……」 「はい。参りましてございます」 「富士は扶桑第一の霊山。しかし険しさも日本一だよ。よく登山出来ましたな。神のお誘導きがあったからで....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
では、たしかにすっぽんが鳴いたのである。(大正九年九月、渋柿) *霊山の岩の中に閉じ込められて、無数の宝石が光り輝いていた。 試みにその中のただ....
薬草取」より 著者:泉鏡花
でおあんなさいましょうねえ。 でも何もそんな難しい御山ではありません。但此処は霊山とか申す事、酒を覆したり、竹の皮を打棄ったりする処ではないのでございます。ま....
火星兵団」より 著者:海野十三
いるのです。そうして何か大変な時には不思議なことがあって、私たちをまもってくれる霊山です。この前は、あの山を敵のため、すぐ奪われたので、いけなかったのです」 ....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
入 (杖を袖にまき熟と視て)さては縁のない衆生でないの。……これは、北陸道無双の霊山、白山、剣ヶ峰千蛇ヶ池の御公達より、当国、三国ヶ岳夜叉ヶ池の姫君へ、文づかい....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
す。 そこにおいて、終生……つまらなく言えば囲炉裡端の火打石です。神聖に云えば霊山における電光です。瞬間に人間の運命を照らす、仙人の黒き符のごとき電信の文字を....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
した生命を、医療もそれよ。まさしく観世音の大慈の利験に生きたことを忘れない。南海霊山の岩殿寺、奥の御堂の裏山に、一処咲満ちて、春たけなわな白光に、奇しき薫の漲っ....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
量品の所に至って、寂然として、この偉大なたましいは、彼が一生待ち望んでいた仏陀の霊山に帰還した。そこでは並びなき法華経の護持者としての栄冠が彼を待っていることを....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
とがありはしないか。本居宣長もそういうようなことをいっている。日蓮の手紙には、「霊山にて逢ひまゐらせん」といつも書いてある。ラファエル・フォン・ケーベルやカルル....
花咲ける石」より 著者:坂口安吾
けて後も怠ることなく、師の法神が諸国の山中にこもって剣技を自得した苦心にならい、霊山久呂保山にこもってまる三年、千日の苦行をつんだ。苦行をおえて戻った時に、彼の....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
―佐渡にも留めず、吹放った、それは外海。この紀事の七尾湾も一手の風に※を飛ばす、霊山の威を思うとともに、いまも吹きしむ思がして、――大笹の夜の宿に、ゾッと寒くな....
枯尾花」より 著者:関根黙庵
怪談であろう。 ◎紀州高野山の道中で、椎出から神谷の中間に、餓鬼坂と云うがある、霊山を前に迎えて風光明媚な処に、こんな忌々しい名の坂のあるのは、誰でも変に感じら....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
別に天狗という名高い護法のあることを忘れてはならぬ。所謂魔王大僧正を始めとして、霊山坊・帝金坊・多聞坊・日輪坊・月輪坊・天実坊・静弁坊・道恵坊・蓮知坊・行珍坊以....
活人形」より 著者:泉鏡花
颯と照射入る月影に、お藤の顔は蒼うなり、人形の形は朦朧と、煙のごとく仄見えつ。霊山に撞く寺の鐘、丑満時を報げ来して、天地|寂然として、室内陰々たり。 かかり....