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「霊泉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

霊泉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
観画談」より 著者:幸田露伴
由緒は良くても今は貧乏寺だが、その寺の境内に小さな滝があって、その滝の水は無類の霊泉である。養老の霊泉は知らぬが、随分響き渡ったもので、二十里三十里をわざわざそ....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
随って種々の便利も具わっている。しかし山国らしい温泉の感じは、反って不便な田沢、霊泉寺などに多く味われる。あの辺にも相応な温泉宿は無いではないが、なにしろ土地の....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
武陵の山奥に何々会館、サロン何とかいったような陽気な仙境に桃源の春を探って不老の霊泉をくむことにしよう。 八歳の時に始まった自分の「銀座の幻影」のフィルムはは....
十二支考」より 著者:南方熊楠
とも知れぬ波間よりてふ句で、もと海に棲むとしたと知れる。この謡《うたい》に猩々が霊泉を酒肆《しゅし》の孝子に授けた由を作ってより、猩々は日本で無性に目出たがられ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
の水にしたたらして置くが習じゃ。」 四十二 「少年は味うて、天与の霊泉と舌鼓を打っておる。 我ら、いまし少年の魂に命じて、すなわちその酒を客僧に....
二つの正月」より 著者:寺田寅彦
の中に入り込んで来た。霊山の雲霧のごとく立昇る湯気の中に、玲瓏玉を溶かせるごとき霊泉の中に紅白の蓮華が一時に咲き満ちたような感じがしたのであった。これは官能的よ....
札幌まで」より 著者:寺田寅彦
色には苦熱があり、ルビーの色は硬くて脆い。血の汚れを去り、焔の熱を奪い、ルビーを霊泉の水に溶かしでもしたら彼の円山の緋鶏頭の色に似た色になるであろうか。 定山....
立札」より 著者:豊島与志雄
る者もなく冷たくなっていました。本場紹興酒の大彫《たあちあん》が、汲めども尽きぬ霊泉となりました。 男の人たちは拳《けん》の勝負に夢中になってるのもあり、女の....
発掘した美女」より 著者:坂口安吾
もそれをきいて、よろこび、 「温泉旅館は必ずあるんでしょうね」 「そのあたりには霊泉が散在していて、各々旅館はあるらしいよ。ただ、自炊客を主とす、と書かれている....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
部落の全戸数である。 保久呂湯は今では誰にも知られないが、昔はかなり名の知れた霊泉だったそうだ。交通機関の発達はそれに捨てられたものを忘れさせてしまうもので、....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
げた。 天武帝が筑摩の温泉へ行宮をつくろうとしたのも、シナノ側にもある神聖なる霊泉をほめたてて敵を喜ばせて敵にとりいるコンタンであったかも知れません。 養老....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
われる雄々しくて美しい一人のミコトが敵にはかられて死にかけたときそこに流れていた霊泉をのんでいったんイノチをとりとめた悲しい神話の一節を思いだします。 なお「....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
されたれば、もはやその事に及ばずとなり。 後また数旬を経て、先生予を箱根に伴い霊泉に浴して痾を養わしめんとの事にて、すなわち先生|一家子女と共に老妻諸共、湯本....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に深そうな川です。 かれこれ一里半ばかり行って山の上に登った所に誠に澄み切った霊泉がある。その泉がチュミク・ガンガー(訳は恒河の源泉)というのです。そこで水を....
西航日録」より 著者:井上円了
や風景に富む。その流れをエーボンと名づく。 阿盆江畔満山春、詠月吟花且養神、又有霊泉能医病、年来活得幾多人。 (阿盆の渓流のほとり、山は春に満ちみちて、月や花を....