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霊肉
「霊肉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
霊肉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ンではない代りにエーリヤルでもない。悪魔ではない代りに天使でもない。私にあっては
霊肉というような区別は全く無益である。また善悪というような差別は全く不可能である....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
のように愛情に盲従したくないというところに力がある。それは仏も如是一|心と言って
霊肉の一致は説いていますが、どうせ自然の力には従わなければならないのはわかってい....
「蒲団」より 著者:田山花袋
の既に定まったのを知らずに、己の事情の帰国に適せぬことを縷々として説こうとした。
霊肉共に許した恋人の例として、いかようにしても離れまいとするのである。 時雄の....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
すれば、死は少しも恐ろしくなくなってしまう。ローマが勝とうがカルタゴが勝とうが、
霊肉飛散した後の我れにはなんのかかわりもない。たとえわが精神の元子は元子として世....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
的の神ありたればとてわれにおいて何かせん。ああ人格的、内在的なる神はなきか。わが
霊肉を併せて抱擁する女はなきか。 山から帰ってから、私の心はいっそう淋しくなっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
湯が全身心に反応しました。 禅家で点心《てんじん》というが、一片の食を投じて、
霊肉の腐乱《ふらん》を済《すく》うという意味通りの役を、この一口の湯が、兵馬のす....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
無価値である。人間の眼は、肉体の為めに蔽われて、是非善悪を審判する力にとぼしい。
霊肉が分離した暁に、この欠陥は初めて大いに除かれる。従って人間の眼で、何より重大....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
一人だ。否、唯一のなつかしい友人だ。 八月と言えば例の月だ。足下と僕とが初めて
霊肉の交りを遂げた思い出多い月だ。足下のいわゆる「冷静なる」僕といえどもまた感慨....
「異邦人の意欲」より 著者:豊島与志雄
ような作品を読んだあとで、手当り次第に雑誌の頁をくりながら、メイ・シンクレアの「
霊肉」にぶっつかると、私は、読み進むのに一種の困難を覚えた。殊に、ハリオットが臨....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
るの恥辱、すべてを巻き込まんとする虚偽粉飾の生温い空気、その他あらゆるものに彼の
霊肉はさいなまれた。しかしながら彼は、自分の信念を道づれとして勇ましく自分の道を....
「決闘」より 著者:神西清
だとか、バザーロフだとかについて、囈語を並べだす。そして言うのだ。――『これこそ
霊肉ともにわれわれの祖先だ。』つまり君、役所の書類が封も開けずに何週間も放り出し....
「赤い壺(三)」より 著者:種田山頭火
ろしいものがあるからである。 肉を虐げることによって霊を慰める人のはかなさは!
霊肉合致とは霊が肉を征服することでなくして肉が霊のあらわれとなることである。 ....
「俳句に於ける象徴的表現」より 著者:種田山頭火
方式によって表現せざるを得ないのである。 広い意味新しい意味に於ての象徴主義は
霊肉合致であり神人渾融である。そして古典主義と浪漫主義(自然主義以後のそれらで『....
「本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
始末は極めて簡単に取片付けられたものと見て差支《さしつか》えあるまい。換言すれば
霊肉を一元視した原始時代にあっては、屍体は野か山かまたは池か河かに投棄して顧なか....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
を〈肉〉の私と呼ぶことには差支はありません。しかし、それはよく誤解されますから、
霊肉の二元論でないことを注意して下さい。私は時間の上に延び上る私と、空間の上に拡....