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霎
「霎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
霎の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
煥発した。女は其前に平伏していた。 「チュッ、チュッ、チュ、チュ」 雀の声が一
霎時の閑寂の中に投入れられた。 舳の松村の村はずれ、九本松という俚称は辛く残り....
「池袋の怪」より 著者:岡本綺堂
くバラバラ降るのではなく何処よりとも知らず時々にバラリバラリと三個四個飛び落ちて
霎時歇み、また少しく時を経て思い出したようにバラリバラリと落ちる。けれども、不思....
「河童小僧」より 著者:岡本綺堂
、提灯は消えて真の闇。 汝れ化物、再び姿を現わさば真二つと、刀の柄に手をかけて
霎時の間、闇き水中を睨み詰めていたが、ただ渦巻落つる水の音のみで、その後は更に音....
「日蔭の街」より 著者:松本泰
んくさ》そうにいった。 私は黙って婆さんの鼻先へ手紙を突出して見せた。婆さんは
霎時私の顔と、手紙を見較べていたが、大きく頷首いて私を室内へ導き入れた。 「ここ....
「Ｐ丘の殺人事件」より 著者:松本泰
かった。 薄い藤紫の覆布《かさ》をかけた電燈の光が、柔く部屋の中に溢れている。
霎時《しばらく》するとビアトレスが扉をあけて入ってきた。 「三階に空いた寝床《ベ....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
徒を伴い跣足率先して池水を汲ては門前に運び出し、泥塗満身消防に尽力せらるること一
霎時間、依て辛うじてその災を免れたり。その後｜暴人江戸｜市街に横行し、良家に闖入....
「一日一筆」より 著者:岡本綺堂
茫たる海中に横わっているのである。 荒神様へ詣るもよい。序にここを通ったらば、
霎時この海岸に立って、諸君が祖先の労苦を忍んでもらいたい。しかし電車で帰宅を急ぐ....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
て四辺隈なく穿索したが固より何物を見出そう筈もなく、動悸の波うつ胸を抱えて、私は
霎時夢のように佇立んでいたが、この夜中に未だ馴染も薄い番人を呼起すのも如何と、そ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
御都合が悪いかな。」 安行の問に対して、母子は即坐に何とも答えなかった。お政は
霎時考えて、 「いいえ、別に都合の悪いと云うこともありませんが……。善は急げとか....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
とし。午前にまた消火の演習あり。 二十四日、晴れ。朝来、驟雨数回襲い来たるも、
霎時にして快晴となる。太陽北方より照らし、涼陰を南方に求む。終日、雲影波光を見る....