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「霜葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

霜葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
指《さ》して見せた。あの満天星《どうだん》を御覧、と言われて見ると、旧《ふる》い霜葉はもう疾《とっ》くに落尽してしまったが、茶色を帯びた細く若い枝の一つ一つには....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
に立つ柳なぞは烈風に吹かれて髪を振うように見えた。枯々とした桑畠に茶褐色に残った霜葉なぞも左右に吹き靡いていた。 その日、私は学校の往と還とに停車場前の通を横....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
顧みて、こんな言葉をかわしては、また進んだ。 秋も過ぎ去りつつあった。色づいた霜葉は谷に満ちていた。季節が季節なら、木曾川の水流を利用して山から伐り出した材木....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て行ったものの記憶や、あるいは闇黒からはい出したものの思い出のさまざまが、眼前の霜葉枯れ葉と共にまた多くの人の胸に帰って来た。 今さら、過ぐる長州征伐の結果を....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
七年十一月十七日のことで、過ぐる年の征韓論破裂の大争いの記憶が眼前に落ち尽くした霜葉と共にまた多くの人の胸に帰って来るころだ。半蔵はそう思った。かくも多勢のもの....
南地心中」より 著者:泉鏡花
同じ姿の奴が居る。 お珊が黙って、此方から差覗いて立ったのは、竜田姫の彳んで、霜葉の錦の谿深く、夕映えたるを望める光景。居たのが立って、入ったのと、奴二人の、....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
く》が詠じた「山行」の詩に 遠上寒山石径斜、白雲生処有人家、 停車坐愛楓林晩、霜葉紅於二月花、 というのがあって、ふるくから普く人口に膾炙している。 諸....
三人の訪問者」より 著者:島崎藤村
「冬」は私にいろいろな樹木を指して見せた。あの満天星を御覧、と言われて見ると旧い霜葉はもう疾くに落尽して了ったが、茶色を帯びた細く若い枝の一つ一つには既に新生の....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
て緩かに上るあたり、掩いかかる大木の梢から下枝の先に至るまで、鮮かな黄に彩られた霜葉の美観は、蓋し此処の圧巻であろう。温泉岳から金精山や前白根に至る諸峰も指呼の....