霜雪[語句情報] » 霜雪

「霜雪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

霜雪の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
サフラン」より 著者:森鴎外
て花屋の爺いさんの云ったように、段々球根も殖えることだろう。 硝子戸の外には、霜雪を凌《しの》いで福寿草の黄いろい花が咲いた。ヒアシントや貝母《ばいも》も花壇....
新生」より 著者:島崎藤村
》かった彼の身体までが漸くその頃に成って回復の時に向って来た。寒暑、乾湿、風雨、霜雪、日光の度を異にした遠い異郷の方から帰って来て、本当に自分の身体に成れたと思....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
虫……これらの物を足場とする。非情の如くに思われる山や川や石や土や日月|星辰風雨霜雪といえども、実は皆生命を持っている。すなわち宇宙の森羅万象は一切生命を持って....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
るのは、すなわち枝葉を繁茂せしめる一つではなかろうか。その根本が堅固であっても、霜雪時に従って葉の枯れ落ちることはある。枝の朽ちることもある。また、新芽を生ずる....
連環記」より 著者:幸田露伴
は、随分苦労をしたことだろうと十二分に同情されるのである。 然し右衛門は不幸の霜雪に圧虐されたままに消朽ちてしまう草や菅では無かった。当時の大権威者だった藤原....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
しょう。それから特に注意しなければならんことは、気候はこの通り温かいのですから、霜雪の難はありません、大河湖沼が乏しいから、洪水の憂いというものからも救われまし....
十二支考」より 著者:南方熊楠
い》「君が代を野べに出でてぞ祝ひける、初子《はつね》の松の末を遥かに」、げに松は霜雪にも凋《しぼ》まず、千年をふる樹なれば春の初め祝事に野べに出でて取り帰りける....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
意味の「怨歌行」という詩に、新しい斉《セイ》の※素《ガンソ》(真白い練絹)の鮮潔霜雪のようなものを裁って合歓の扇となす。団々として明月に似たり、君が懐袖の中に出....
梅花の気品」より 著者:豊島与志雄
気魄である。衆に媚びず、孤独を恐れず、自己の力によって自ら立ち、驕らず卑下せず、霜雪の寒にも自若として、己自身に微笑みかくる、揺ぎなき気魄である。肥大ならず、矮....
剣侠」より 著者:国枝史郎
て脆くなってはいたが植物の茎や葉のようであった。 植物の茎や葉が永い年月、風雨霜雪に曝された結果、こまかいこまかい砂のようになったもの! それのように思われた....
平泉紀行」より 著者:村山俊太郎
残し光堂は三代の棺を納め三尊の仏を安置す、七宝散り失せて珠の風にやぶれ、金の柱、霜雪に朽て既に頽廃空虚の叢となるべきを、四面新たに囲みて甍を覆ふて風雨を凌ぐ、暫....
秋草」より 著者:島崎藤村
見せたい。薫は、春咲く蘭に対して、秋蘭と呼んで見てもいいもので、かれが長い冬季の霜雪に耐えても蕾を用意するだけの力をもった北のものなら、これは激しい夏の暑さを凌....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、わが春はかの秋、かの夏はわが冬なり。冬分の気候はわれよりも暖にして、沿海の地は霜雪を見ざるほどなり。これに反して、夏時は寒温針百度以上に上がり、ことに北風の襲....