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「霧消〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

霧消の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二十世紀旗手」より 著者:太宰治
、まずいまずいと大あくび。よろしい、それでは一つ、しんじつ未曾有《みぞう》、雲散霧消の結末つくって、おまえのくさった腹綿を煮えくりかえさせてあげるから。 そう....
八十八夜」より 著者:太宰治
。がりがり後頭部を掻《か》きながら、なんたることだ、日頃の重苦しさを、一挙に雲散霧消させたくて、何か悪事を、死ぬほど強烈なロマンチシズムを、と喘《あ》えぎつつ、....
畜犬談」より 著者:太宰治
やはり犬に慕われながら帰途についた。家へ帰りつくまでには、背後の犬もどこかへ雲散霧消《うんさんむしょう》しているのが、これまでの、しきたりであったのだが、その日....
人間失格」より 著者:太宰治
や、小さい火鉢は思い出す事が出来るけれども、その部屋の主人公の顔の印象は、すっと霧消して、どうしても、何としても思い出せない。画にならない顔である。漫画にも何も....
作家の手帖」より 著者:太宰治
溝橋に於いて忘るべからざる銃声一発とどろいた。私のけしからぬ空想も、きれいに雲散霧消してしまった。 われ幼少の頃の話であるが、町のお祭礼などに曲馬団が来て小屋....
花吹雪」より 著者:太宰治
した日も無いではなかったが、今はもう、気持が畏縮してしまって、そんな空想など雲散霧消した。私には、そんな資格が無い。立派な口髭を生やしながら、酔漢を相手に敢然と....
一日の労苦」より 著者:太宰治
思いはじめた。生れて、はじめて、自愛という言葉の真意を知った。エゴイズムは、雲散霧消している。 やさしさだけが残った。このやさしさは、ただものでない。ばか正直....
什器破壊業事件」より 著者:海野十三
枝の胸の中に鬱積した不満感といったようなものが、一時的ではあったが、たちまち雲散霧消してしまうのを感じたことであった。 だが、なにゆえに、什器破壊作業をやらな....
勉強記」より 著者:坂口安吾
概気楽に会ってくれたし、会ってみれば、実に気軽にうちとけて、道中の不安などは雲散霧消が常だった。そうして、各の高僧達は、各の悟りの法悦をきかせてくれた。けれども....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
というものは、元禄のころは実在したかも知れないが、当今は、国の敗れたるが如く雲散霧消せりと観ずる方が天地の理にかなっているようである。とはいえ、大石が一力茶屋で....
余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
悪く気をまわしてそれを疑つたりはしない。四郎の一言で今までの低気圧がたちまち雲散霧消して、光風霽月、かんらかんらと朗らかにうち笑つて別れてしまう。まことに男ぼれ....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
惑わされ、艇長の死を容易に信ずることができなかったのでした。 それが、今や雲散霧消したことは、なにより墺太利海軍建設以来最初の英雄であるところの、フォン・エッ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ず取りかこまれたこともあった。だが、昼の光がさせば、こういう悪魔どもはすべて雲散霧消し、悪魔がいようと、また、それがどんな仕業をしようと、彼は愉快な人生をおくっ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
か考えられなかったのだ。 「何と驚いたお饒舌り家だったろう。だが、何と驚いた雲散霧消だろう。まるでお饒舌りの神様見たいな奴だったが。いや、お饒舌りの神様だったか....
味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
験管中に一層の命が加わり、栄養料理は美味くないなどという今日の悪罵はおのずと雲散霧消し、日本人の健康増進にと寄与することは疑うべくもない。 とにかく、三度三度....