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露地
「露地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
露地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
|銜えて、お母さんは塀の上――(椿の枝下で茲にお飯が置いてある)――其処から、裏
露地を切って、向うの瓦屋根へフッと飛ぶ。とあとから仔雀がふわりと縋る。これで、羽....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
うな賑かさだった。両側の飲食店からは、絃歌の音がさんざめき、それに交って、どこの
露地からも、異国情調の濃い胡弓の音や騒々しい銅鑼のぶったたくような音が響いて来た....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
と家との間に飛び込んだ。飛びこんだはいいが、溝板がガタガタと鳴るのに面喰らった。
露地内の一つ角を曲ると、アパートの裏口に出た。頑丈な鉄棒つきの硝子扉が嵌っていた....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
えたが、これは考えすぎてたいへん莫迦をみたようなものであった。まるで抜け裏のない
露地を、ご丁寧に抜け路があるかしらと探しまわって草臥もうけをしたようなものであっ....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
、ドロレス夫人の宿に泊めてもらうつもりで、この前の淡い記憶を辿って、見覚えのある
露地へ入りこんでいった。 だが、ドロレス夫人の宿は、見当らなかった。ただ、一軒....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ったのは、同じ九月一日の午後四時ころだった。場所は横浜市の北を占める高島町の或る
露地、そこに提灯屋の一棟がもろに倒壊していて、その梁の下にお千はヒイヒイ泣き叫ん....
「古狢」より 著者:泉鏡花
「決して悪く云ったのじゃない。……これで地口行燈が五つ六つあってごらん。――横
露地の初午じゃないか。お祭のようだと祝ったんだよ。」 「そんな事……お祭だなんの....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
って、一封のもみじの音信を投げた、玉章のように見えた。 里はもみじにまだ早い。
露地が、遠目鏡を覗く状に扇形に展けて視められる。湖と、船大工と、幻の天女と、描け....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
町の裏小路、ごまごまとした中を、同じ場末の、麻布田島町へ続く、炭団を干した薪屋の
露地で、下駄の歯入れがコツコツと行るのを見ながら、二三人共同栓に集った、かみさん....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
でない。……両親がまだ達者で、爺さん、媼さんがあった、その媼さんが、刎橋を渡り、
露地を抜けて、食べものを運ぶ例で、門へは一廻り面倒だと、裏の垣根から、「伊作、伊....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
に、和仏英女学校というのの壁の色が、凩の吹く日も、暖かそうに霞んで見えて、裏表、
露地の処々から、三崎座の女芝居の景気|幟が、茜、浅黄、青く、白く、また曇ったり、....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ていない。僕の持っているのは神経だけである」…… 姉は三人の子供たちと一しょに
露地の奥のバラックに避難していた。褐色の紙を貼ったバラックの中は外よりも寒いくら....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
それから大金持と乞食とがまるでごった返しているのである。にぎやかな街には幾つも
露地のような細い横筋の小さな通りがある。そこにはごたごたとした小さな食物の店があ....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
そして夜になって帰られるのですが、その頃から御池のお宅の勝手口は門口から石畳みの
露地になっていまして、そこをカランコロンと下駄の音がして来ると、アッ先生が帰らは....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ません。紅屋です。」 「先生は、紅屋の鑑定家なのかなあ。まるで違ってる。これは細
露地を一つ取違えた……」 「ははは、大丈夫。いらっしゃい。――あすこに紅屋の息子....