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「露店〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

露店の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
う。 33 斜《ななめ》に見た標札屋《ひょうさつや》の露店《ろてん》、天幕《てんと》の下に並んだ見本は徳川家康《とくがわいえやす》、二....
」より 著者:芥川竜之介
り》、蜘蛛手《くもで》に張った万国国旗、飾窓《かざりまど》の中のサンタ・クロス、露店に並んだ絵葉書《えはがき》や日暦《ひごよみ》――すべてのものがお君さんの眼に....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
》ひややかに、月のみぞひとり澄めりける。 熱鬧《ねっとう》を極《きわ》めたりし露店はことごとく形を斂《おさ》めて、ただここかしこに見世物小屋の板囲いを洩《も》....
婦系図」より 著者:泉鏡花
が通るようになっても相かわらず賑かな。書肆文求堂をもうちっと富坂寄の大道へ出した露店の、いかがわしい道具に交ぜて、ばらばら古本がある中の、表紙の除れた、けばの立....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
族などが商売を初める者が多く、皆々まず大道商人となって、馬喰町四丁内にギッシリと露店の道具屋が出ました。今考えると立派なものが夜店にあったものです。その大道商人....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
そして指環の珠の色も怪しい、お前たちどう見たか。 侍女一 近頃は、かんてらの灯の露店に、紅宝玉、緑宝玉と申して、貝を鬻ぐと承ります。 公子 お前たちの化粧の泡が....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
……懐中に、どうしたか失せて見えなくなった。ただ、内へ帰るのを待兼ねて、大通りの露店の灯影に、歩行きながら、ちらちらと見た、絵と、かながきの処は、――ここで小母....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
に困ったと思え。弓矢取っては一万石、大名株の芸人が、イヤ楊枝を削る、かるめら焼を露店で売る。……蕎麦屋の出前持になるのもあり、現在私がその小父者などは、田舎の役....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、引続いた火沙汰のために、何となく、心々のあわただしさ、見附の火の見|櫓が遠霞で露店の灯の映るのも、花の使と視めあえず、遠火で焙らるる思いがしよう、九時というの....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
ればかりは決して御辞儀申さぬぞ。林間に酒こそ暖めませぬが、大宮人の風流。」 と露店でも開くがごとく、与五郎一廻りして毛布を拡げて、石段の前の敷石に、しゃんと坐....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
けていると、清らかな、上品な、お神巫かと思う、色の白い、紅の袴のお嬢さんが、祭の露店に売っている……山葡萄の、黒いほどな紫の実を下すって――お帰んなさい、水で冷....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
なかった。ほども遠い、……奥沢の九品仏へ、廓の講中がおまいりをしたのが、あの辺の露店の、ぼろ市で、着たのはくたびれた浴衣だが、白地の手拭を吉原かぶりで、色の浅黒....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
逢いけむ、われは心着かざりし。四辺には人の往来絶えて、大路の片隅に果物売の媼一人露店出して残りたり。三角|形の行燈にかんてらの煤煙黒く、水菓子と朱の筆もて書いた....
黒百合」より 著者:泉鏡花
。城の外壕が残った水溜があって、片側町に小商賈が軒を並べ、壕に沿っては昼夜交代に露店を出す。観世物小屋が、氷店に交っていて、町外には芝居もある。 ここに中空を....
三枚続」より 著者:泉鏡花
戸外は立迷う人の足、往来も何となく騒がしく、そよとの風も渡らぬのに、街頭に満ちた露店の灯は、おりおり下さまに靡いて、すわや消えんとしては燃え出づる、その都度|夜....