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露知らず
「露知らず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
露知らずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「眉山」より 著者:太宰治
「あれで案外、自惚《うぬぼ》れているんだぜ。僕たちにこんなに、きらわれているとは
露知らず、かえって皆の人気者、……」 「わあ! たまらねえ。」 「いや、おおきに....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
捧げてわが玩具《おもちゃ》となるを栄誉と思う。彼を愛するの資格をわれに求むる事は
露知らず、ただ愛せらるべき資格を、わが眼に、わが眉《まゆ》に、わが唇《くちびる》....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
乗り合わして居る一人であったが、勿論其の場に着き其の事変に逢うまでは神ならぬ身の
露知らずであった、夫は扨置いて余が眠そうに背後へ寄り掛って居る間に、彼、安煙草は....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
牧師の中でも。首領株だけ眼星をつけて。お手の物なら刑事を使って。狙うているとは夢
露知らずに。タッタ一人で淋しい処を。歩く後から足音忍ばせ。アットいう間に引ずり倒....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
通じんのか」 「通じ過ぎて困るくれえだ。珈琲だってやがらあ」 「コーヒー事とは夢
露知らずか」 「コニャック持って行きましょか」 とこれは支那人の声らしい。 「....
「人間腸詰」より 著者:夢野久作
いい二本棒に見立てられていたんですなあ。節劇の文句じゃ御座んせんが「殺されるとは
露知らず」でゲス。屠所の羊どころじゃねえ。大喜びで腸詰になりに行ったんですからね....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 「そりやずいぶんと結構でございますなあ、殿様がそういう結構なお心になったとは
露知らず、世間にはずいぶんふざけた奴が多いので、いやになっちゃいますなあ」 「が....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
艦を見付けて、夢中になって追跡したのです。まさか他の四隻の潜水艦が隠れているとは
露知らず、遂にうまうま計略に載せられて、僚艦四隻の待ちかまえていた魚雷のねらいの....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
真南に航行していることである。 リット少将が、にやにや笑っている。 それとは
露知らず、さんざん酔払って乗船した帰還団体の誰も彼もは、船がどっちを向いて走って....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
し居り是を買いくれよと云いかけられ是非無く殺害したるに新助殿妻おふみ殿の兄御とは
露知らず昨夜の物語に始めて知り兄|良人の仇申訳相立たず自害致し相果て候我等なき後....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の早足をわざと渋らせつつ、見え隠れに、この一行のあとをつけたが、そういうこととは
露知らず、一行の旅の主は、疑うべくもなくお銀様の父、急に甲州有野村を微行《しのび....
「シンデレラ」より 著者:水谷まさる
す。きれいなのを妬まれたのです。けれど気だてのすなおなシンデレラは、そんなことは
露知らず、冷たくされるのは自分が至らぬせいだと、あきらめておりました。 『みんな....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
て」
「いいえ。妾も、不覚でござりました。百城様とばかり信じて、牧様の御子息とは
露知らず――」
と、いうと、七瀬は、夫への申訳の無さ、娘へ、百城の頼もしさを語....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
リーナ・リヴォーヴナやその意中の人にとって、それほど目の上のたん瘤だろうなどとは
露知らず、あどけない仔山羊のようにただもう跳ね※っているばかり、且つはまた夜とも....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ことは、私は御免蒙る」 一方エリザベスは、陰でこのような密謀が動いていることは
露知らず、暗い顔で、自分はいったいなにをしようとしているのか、ロンドン塔に彼を幽....