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靄然
「靄然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
靄然の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三四郎」より 著者:夏目漱石
運命はたいがい与次郎のためにこしらえられている。しかも多少の程度において、和気|
靄然《あいぜん》たる翻弄《ほんろう》を受けるようにこしらえられている。与次郎は愛....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
。だから、武将中最も教養あり、その詩に、 簷外風光分外薪 |捲 孱願亦|有 一笑
靄然|如 歌に、 さみだれに庭のやり水瀬を深み浅茅がすゑは波よするなり 立ち並....
「三郎爺」より 著者:宮本百合子
いが、堅い言葉でいえば、「己を知る者のために死す」心持が、彼と山沢さんとの間に、
靄然《あいぜん》として立ち罩《こ》めていたのである。 彼の強情を理解し、制御す....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
よう!
その緑面の女夜叉《おんなやしゃ》を与吉はいま眼のあたりに見たのだった。
靄然《あいぜん》として暮色の迫るところ。
物置小屋のかげに、つづみの与吉はつば....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
求めてなお得がたき思いなりき。かかるほどに、獄中常に自《おの》ずからの春ありて、
靄然《あいぜん》たる和気《わき》の立ち籠《こ》めし翌年四、五月の頃と覚ゆ、ある日....