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「青っぽい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

青っぽいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
るさいのかも知れぬ)下手に怒らしてはあとが怖いと、佐古は咄嗟に考えた。(こういう青っぽい駈出しが、得てしてあと先も見ずに慾得もなしに、無茶なゴシップを書きくさる....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
なびっくりで這入《はい》って行くと、女中さんはきさくに案内してくれる。宇野さんは青っぽい蒲団の中に寝ていた。なるほど寝て書くひとに違いない。スペイン人のようにも....
おもかげ」より 著者:宮本百合子
は椅子をずらし、 「外へ行きましょう」 素子の手をつかんで、ひっぱるようにその青っぽい窓べりをはなれた。朝子が歩いて行く廊下は四週間前の宵に、彼女がその上へ倒れた白と黒の市松模様の石の床であった。....
秋毛」より 著者:宮本百合子
居ない者は「□持」だと云うけれ共私もたしかにそうなのかもしれない。 時々、此の青っぽい白眼も奇麗に見える事があるけれ共、此頃の様なまとまらない様子をして居ると....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
れている。島田には花を作っているような家は殆どない。 机の上にすこしばかり樹の青っぽい蔭がさしていて、一寸何だか夏休みの或日のようです。そして、すこし、郷愁に....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
っしゃらないから、今度は私がそちらへ行きます。紺絣のきもので、一寸前かけかけて、青っぽい廊下草履はいて。そこへ行ってふとんにすこし膝をかけるようにして坐りこんで....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
にわたしは苦しくて、見えなくて、じっと動けなかったのね、可哀想に。 然し今は、青っぽい筒袖のセルを着て、紺の大前かけかけて、青葉の色よりすこし水色っぽい更紗の....
月明」より 著者:豊島与志雄
ら四五日の間は、何だかぼんやりしていましたわ。」 それらの様子が変だった。が、青っぽい羽二重の帯を胸高にしめ、上からお召の羽織を背抜き加減に引っかけて、その紐....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
な顔は仕事から眼もあげずに返辞をした。その眼つきは、短い濃い睫毛《まつげ》のある青っぽい眼瞼《まぶた》が落とす見通せない影の下に隠れていた。もしクリストフに自信....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。 ミラノの平野。産毛《うぶげ》の生《は》えたような水田を網目形に区切ってる青っぽい運河、その運河の中に映ってる日の光。褐色《かっしょく》の細葉を房々《ふさ....
復讐」より 著者:豊島与志雄
た。私は言葉少く、黙りがちで、まじまじと彼女を見守った。 大きく井桁を散らした青っぽい着物に、赤い縦縞の丹前を引っかけてる彼女は、そのしゃくれ気味の長めの顔と....
立札」より 著者:豊島与志雄
、腕に青色の布片を縫いつけていました。大体苦力たちの服が、きたなく褪せてはいては青っぽいものなので、その青色の布片は初めは殆んど人目につきませんでしたが、いつし....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
がったあの男が、桃割れに結った、あの女優と、魚の様にもつれあっている。水のように青っぽい匂いの流れてくる暗い廊下に、私は瞳にいっぱい涙をためて、初夏らしい、ハー....
小説 円朝」より 著者:正岡容
から這い上がってきた。一帳羅の黒紋付が見るかげもなくぐしょぐしょだった。ポタポタ青っぽい雫が落ちてきてきんぽうげ咲く草原を濡らした(ウルル、寒い)。 「アッハッ....
港の妖婦」より 著者:田中貢太郎
こか艶かしいところのある顔を見せて、洋服の男の背後の方から出ようとする容で、長い青っぽい襟巻の襟を掻き合せていた。謙作は背後姿も好かったが、好い女だなと思ってち....