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青丹
「青丹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青丹の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
ぬが眼から出た火で焼き捨ててくれるわ。どぶ酒に酔いしれたような、うぬが顔の色を、
青丹よし、奈良漬けの香も嗅げぬ若草色に蒼ざめてくれるわ!」 相も変らぬ駄洒落を....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
いる。しばらく黙って札を引いている。 村萩 おやもみじ。気をつけないと浅香さんが
青丹をしますよ。 墨野 ぬかりなくてよ。あとは菊ですね。 浅香 きっとできますわ....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
内容を着実に含味しようとせず、空に飛行機を舞わせつつ、文学精神の面においてだけは
青丹よし寧楽《なら》の都数千年の過去にたちかえらんとしても、幻を喰って生きていら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
した無邪気なる誤謬《ごびゅう》と浅見とに、憤りを発する者が幾人《いくたり》ある。
青丹《あおに》よし、奈良の都に遊んだこともなく、聖徳太子を知らず、法然《ほうねん....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が起きたり、また存外真剣になって張合っているような気色にも聞えたり、 「坊主」「
青丹《あおたん》」「ぴか一」 「雨、あやめ」「三光」 というような声が洩《も》れ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
つぎに 天《あめ》の下《した》 知ろし召ししを 空にみつ 大和《やまと》を置きて
青丹《あをに》よし 奈良山《ならやま》越えて いかさまに 思ほしめせか 天離《あ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
御や夫人たちの集まる日であったから、童女の服装はことによくさせてお置きになった。
青丹の色の服に、柳の色の汗袗で、赤紫の袙などは普通の好みであったが、なんとなく気....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
王即和歌」という題詞があるので、額田王作として解することにする。「味酒三輪の山、
青丹よし奈良の山の、山のまにい隠るまで、道の隈い積るまでに、委にも見つつ行かむを....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
で私の小さい希望は足るのである。 さて、 花のさかりも近づいたが、私はかの、
青丹よし 寧楽の都はさく花のにほふがごとく今さかりなり 寧楽朝を桜花になぞらえ....
「地上」より 著者:島田清次郎
女将は奥の室へ去って楼主と二人で花|骨牌をはじめた。 「そうはゆきませんよ、
青丹などとはどん欲すぎますよ」 「それもそうですかね、さあ、お正月様はこっちのも....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
とえば、『子規書簡集』にこういう歌が載っている。これは秀真君の鋳物の批評である。
青丹よし奈良の仏もうまけれど写生にますはあらじとぞ思ふ 天平のひだ鎌倉のひだにあ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
奈良朝時代であります。この時代に行われた仏教宗派は、主に華厳宗、律宗であります。
青丹よし寧楽の都は咲く花の にほふがごとくいま盛りなり 奈良七重七堂伽藍八重....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
であることの、実例をいろいろ挙げて引き止めるのだった。 奈良といえばすぐさびた
青丹の伽藍と、鹿の目が連想され、あの平和な旧都だけは、戦乱も飢饉もない無風帯のよ....