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「青地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

青地の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
と新たに戦地の方へ向おうとする歩兵の群が彼の行く道を塞《ふさ》いだ。灰色がかった青地の新服を着けた兵士等の胸には黄や白の菊の花が挿《さ》され、銃の筒先にまでそれ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
十月上旬に繰りあげてあった。いよいよその日も近づいて、継母のおまんは半蔵のために青地の錦の守り袋を縫い、妻のお民は晒木綿の胴巻きなぞを縫ったが、それを見る半蔵の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て行こうとしてあった。手回しのいいこの和尚はすでに旅の守り袋を用意したと言って、青地の錦の切地で造ったものをそこへ取り出して見せた。梵文の経の一節を刻んであるイ....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
と常に怡然たる神色とは洶々たる三軍の心をも安からしむべし。 肱近のテーブルには青地交趾の鉢に植えたる武者立の細竹を置けり。頭上には高く両陛下の御影を掲げつ。下....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
とうやすまる》氏から手紙をよこされて、前記原氏のほかに後藤道雄《ごとうみちお》、青地正皓《あおじまさひろ》、相原千里《あいはらせんり》等の各医学博士の鍼灸《しん....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
(衝と押す、闥を排きて、性急に登場す。面玉のごとく※丈けたり。黒髪を背に捌く。青地錦の直垂、黄金づくりの剣を佩く。上段、一階高き床の端に、端然として立つ。) ....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
す。 質の出入れ――この質では、ご新姐の蹴出し……縮緬のなぞはもう疾くにない、青地のめりんす、と短刀|一口。数珠一|聯。千葉を遁げる時からたしなんだ、いざとい....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
裡に、何も見えぬ。冷いが、時めくばかり、優しさが頬に触れる袖の上に、月影のような青地の帯の輝くのを見つつ、心も空に山路を辿った。やがて皆、谷々、峰々に散って蕈を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
申しません。そうしてその抵当とおっしゃいますのは」 「この品だ」 神尾主膳は、青地錦の袋に入れた一振《ひとふり》の太刀を床の間から取り外しました。それは多分|....
博物誌」より 著者:岸田国士
ら、今度は二羽ずつ抱き合ったまま、みんな一緒に集まり、ごちゃごちゃに塊って、空の青地の上へ、べったりインクの汚点をつける。 しかし、ただ一人の友達の眼だけが、....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
った時に訊ねるとしよう」 こういいすてると徳大寺大納言は、供侍を見返ったが、「青地青地、清左衛門!」 「は」と身近く寄り添ったのは、公卿侍の青地清左衛門であ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
え、左手には嗽口《そうこう》、灑水《しゃすい》を置いてあった。 部屋の壁には、青地に四印|曼荼羅《まんだら》を描いた旗と、蓮華広大曼荼羅を描いたものとを掛けて....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
四体の観音は、その後どうなったかというに、一つは浅草の伊勢屋四郎左衛門の家(今の青地氏、昔の札差のあと)、一体はその頃有名だった酒問屋で、新川の池喜へ行きました....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
(第六図)と変じ、ここに包《つつみ》を背負ひし男一人橋の欄干に腰かけ扇を使ふ時、青地《あおじ》の日傘《ひがさ》携へし女芸者二人話しながら歩み行けり。その傍《かた....