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「青天井〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

青天井の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
こむてんとうむしのむすめや、赤いにしんにのまれるくろんぼうの子供や、かごにのって青天井《あおてんじょう》のすすはきしにお月さまより高くのぼるおばあさん、おくつの....
単独行」より 著者:加藤文太郎
月が黒部谷を照らして立山の上へ移るまで、殆んど寝ないで眺めていました。これが私の青天井に寝た一番高所のレコードとなりました。 十四日は六日ぶりにいいお天気にな....
佐竹の原へ大仏をこしらえたはなし」より 著者:高村光雲
らえておりますと、狭い仕事場で小仏を小刀の先でいじっているとはまた格別の相違……青天井の際限もない広大な野天の仕事場で、こしらえるものは五丈近い大きなもの、陽気....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
。 さりながら、相撲道にも大分二一天作の五が十になる鼠算が流行って来て、折角の青天井になお一つ天井が出来、掛小屋が常設館という厳めしいものになって、場所以外に....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
刻、この電信が参りました時、何ですか、お顔の色が……) (……故障のためですよ、青天井の煤払は下さりませんからな、は、は。) と笑った。 坂をするすると這上....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
実に小遣を出して、枝を蔓を提げるのを、じろじろと流眄して、世に伯楽なし矣、とソレ青天井を向いて、えへらえへらと嘲笑う…… その笑が、日南に居て、蜘蛛の巣の影に....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ても毒そうではないか。」 「不景気なことを言ってらあ。麦畠の中へ引くりかえって、青天井で寝た処で、天窓が一つ重くなるようなんじゃあないよ、鍛えてあらあな。」と昂....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
らないなんて、きまつたウチは窮屈さ。街で拾はれなきや、第一、気分がでやしないや」青天井が骨の髄まで泌みてゐる。夜の王様の構図の如き、蔑むべき、卑小きはまる、家庭....
家なき子」より 著者:楠山正雄
く休んだあとで、わたしは出発の合図をした。わたしたちはどうせ、どこかただでとまる青天井の下を見つけさえすればいいのだから、なにより、あしたの食べ物を買う銭をいく....
吝嗇神の宿」より 著者:坂口安吾
くッて、いけねえなあ。なんだか、ゾクゾクッと寒気がして、オレがたった一人ぼっちで青天井の野ッ原のマンマンナカへ放りだされたような気がして、たよりなくて仕様がねえ....
人造物語」より 著者:海野十三
その上に太陽のスペクトルと同じスペクトルの電灯を点じて、あたかも、その広間の上は青天井で、雲雀でも舞っていそうな感じが出るのである。これなどは、たしかに執務の能....
次郎物語」より 著者:下村湖人
れにこれからの進行の都合もありますので、双方の最初のごあいさつの交換だけは、この青天井の下でお願いしたいと思います。では、まず友愛塾生代表の歓迎の辞……」 す....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
を拵えておりますと、狭い仕事場で小仏を小刀の先で弄っているとはまた格別の相違……青天井の際限もない広大な野天の仕事場で、拵えるものは五丈近い大きなもの、陽気はよ....
余齢初旅」より 著者:上村松園
ある。その家々に支那人が代わり代わり腰をかけて、油っこいものを、さもおいしそうに青天井の下でたべている。軒もひさしもない青天井の下ではさぞかし塵埃もおちて来よう....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
焦らしたり悩ましたりする擒縦殺活自在の思弁に頗る長じていた。 勿論、演壇または青天井の下で山犬のように吠立って憲政擁護を叫ぶ熱弁、若くは建板に水を流すようにあ....