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青松
「青松〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青松の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
をたく土器《かわらけ》が、二つになってころがりながら、一面にあたりへ、燃え残った
青松葉を、灰といっしょにふりまいている。その灰を頭から浴びて、ちぢれ髪の、色の悪....
「狂言の神」より 著者:太宰治
寒さにふるえて眼玉をきょろきょろうごかしていただけのことであったのである。途中、
青松園という療養院のまえをとおった。七年まえの師走、月のあかい一夜、女は死に、私....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
も恥かしい、もう迚《とて》も武家奉公も出来ぬから寧《いっ》そ切腹致そう」
と、
青松院《せいしょういん》の墓所《はかしょ》で腹を切ろうとする処へ、墓参りに来たの....
「屋上の狂人」より 著者:菊池寛
巫女 (荘厳に)この家の長男には鷹の城山の狐が憑いている。木の枝に吊しておいて
青松葉で燻《くす》べてやれ。わしの申すこと違《たが》うにおいては神罰立ち所に至る....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。七人の男が正体もなく寝入っている隙をうかがって、何者かがこの小屋に忍び込んで、
青松葉や青唐辛のたぐいを炉に積みくべて彼等をいぶし責めに責め殺したのであろう。狐....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
方に進み入った。 私達は可成深い松林の中へ来た。若い男女の一家族と見えるのが、
青松葉の枝を下したり、それを束ねたりして働いているのに逢った。女の方は二十前後の....
「千鳥」より 著者:鈴木三重吉
豆を零したようなのは、烏の群が下りているのであろうか。女の人の教える方を見れば、
青松葉をしたたか背負った頬冠りの男が、とことこと畦道を通る。間もなくこちらを背に....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
のつかないことを言い、とりかえしのつかないことを行うべきでもあろうと、いま、白砂
青松の地にいて、籐椅子にねそべっているわが身を抓っている始末である。住み難き世を....
「黒髪」より 著者:近松秋江
あったが、白い額に、いかつくないほどに濃い一の字を描いている眉毛は、さながら白沙
青松ともいいたいくらい、秀でて見えた。けれど私に、いつまでも忘れられぬのはその眼....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
までに、よくよく憔悴けて了いました。一と口に申したらその時分の私は、消えかかった
青松葉の火が、プスプスと白い煙を立て燻っているような塩梅だったのでございます。 ....
「我が宗教観」より 著者:淡島寒月
ましたが、後にはまた禅は茶味禅味だといって、禅に凝った事もありました。或る時芝の
青松寺へ行って、和尚に対面して話の末、禅の大意を聞いたら、火箸をとって火鉢の灰を....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
|通夜をいたし、翌早朝葬式を途中まで見送って、自分は西丸下へ帰り、お葬式は愛宕下
青松寺で営みまして、やがて式も済みましたから、文治は※※のまゝ愛宕下を出まして、....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
、住吉の入江が見渡された。頃は極月二十日の午後、暖国のこととて日射し暖かに、白砂
青松相映じ、心ゆくばかりの景色である。 太刀取りの武士が白刃を提げ、静かに背後....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
くして却ってぽかんとして仕舞った。 浜に網曳く声が聞えた。犬の声も交って居る。
青松白砂。蒔蔵は 「ここは淡路じゃ無いぞ。蒲郡だぞ」 と何遍自分に云って聞かせ....
「雨夜続志」より 著者:田中貢太郎
芝の
青松寺で自由党志士の追悼会のあった時のことである。その日、山田三造は追悼会に参列....