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青柳
「青柳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青柳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
とその侍は下《しも》にいて、しばらく頭《かしら》を傾けて居りましたが、やがて、「
青柳《あおやぎ》の」と、初《はじめ》の句を申しました。するとその季節に合わなかっ....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
説明するまでもなく種々の死法則のようやく整頓《せいとん》されつつあることである。
青柳町の百二十余日、予はついに満足を感ずることができなかった。 八月二十五日夜....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の梅が一木、月はなけれど、風情を知らせ顔にすっきりと彳むと、向い合った板塀越に、
青柳の忍び姿が、おくれ毛を銜えた態で、すらすらと靡いている。 梅と柳の間を潜っ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
|煽り、その形に煽るや否や、人の立つごとく、空へ大なる魚が飛んだ。 瞬間、島の
青柳に銀の影が、パッと映して、魚は紫立ったる鱗を、冴えた金色に輝やかしつつ颯と刎....
「女客」より 著者:泉鏡花
で、玉ぼやを透かした薄あかりに、くっきり描き出された、上り口の半身は、雲の絶間の
青柳見るよう、髪も容もすっきりした中年増。 これはあるじの国許から、五ツになる....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
袖の嬌娜姿、雲を出でたる月かと視れば、離れた雲は、雪女に影を宿して、墨絵に艶ある
青柳の枝。 春の月の凄きまで、蒼青な、姿見の前に、立直って、 「お稲です。」 ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
月影ばかり藻が分れて、端を探り探り手が掛った。と思うと、ずぼりと出る。 「蛙だと
青柳硯と云うんです。」 「まったくさ。」 十七 けれども、その時....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
も、何しろ昨夜は出来が悪いのさ。本来なら今朝の雪では、遊女も化粧を朝直しと来て、
青柳か湯豆府とあろう処を、大戸を潜って、迎も待たず、……それ、女中が来ると、祝儀....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
う。黒目勝の清しやかに、美しくすなおな眉の、濃きにや過ぐると煙ったのは、五日月に
青柳の影やや深き趣あり。浦子というは二十七。 豪商|狭島の令室で、銑太郎には叔....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
でない。父も母も誰も知らず、諸国漫遊の途次、一昨年の秋、この富山に来て、旅籠町の
青柳という旅店に一泊した。その夜賊のためにのこらず金子を奪われて、明る日の宿料も....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
旬でありました。 三 門、背戸の清き流、軒に高き二本柳、――その
青柳の葉の繁茂――ここに彳み、あの背戸に団扇を持った、その姿が思われます。それは....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
っけのその京言葉と、朱鷺色の手絡、艶々した円髷、藤紫に薄鼠のかかった小袖の褄へ、
青柳をしっとりと、色の蝶が緑を透いて、抜けて、ひらひらと胸へ肩へ、舞立ったような....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
日本橋のそれにや習える、 源氏の著者にや擬えたる、 近き頃|音羽
青柳の横町を、 式部小路となむいえりける。 名をなつかしみ、尋ねし人、 妾宅と覚....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
箱を押すとすッと開いて、研澄ましたのが素直に出る、裏書をちょいと視め、 「こりゃ
青柳さんと、可し、梅の香さんと、それから、や、こりゃ名がねえが間違やしないか。」....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
々と会場につめかけ、来賓として出席した軍人や右翼教授たちを徹底的にヤジリ倒した。
青柳団長が『わたくしは……』といえば『軍国主義者であります』とくる。ついで『私は....