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青柳の
「青柳の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青柳のの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
しだしかた》や取立方《とりたてかた》に抜目のない頭脳《あたま》を働かしていたが、
青柳の顔が見えると、どんな時でも彼女の様子がそわそわしずにはいなかった。
お島....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の梅が一木、月はなけれど、風情を知らせ顔にすっきりと彳むと、向い合った板塀越に、
青柳の忍び姿が、おくれ毛を銜えた態で、すらすらと靡いている。 梅と柳の間を潜っ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ままに、彼は自作の旧い歌の一つをその紙の上に書きつけた。 おもふどちあそぶ春日は
青柳の千条の糸の長くとぞおもふ 半蔵 五平はそのそばにいて、 「これはお....
「爛」より 著者:徳田秋声
走ったのであった。 浅草のある劇場の裏手の方の、その家を初めて尋ねて行った時、
青柳の何をして暮しているかが、お増にはちょっと解らなかった。 「良人はこのごろ妙....
「古狢」より 著者:泉鏡花
髷が重そうに俯向いた。――嫋かな女だというから、その容子は想像に難くない。欄干に
青柳の枝垂るる裡に、例の一尺の岩魚。※と蓴菜の酢味噌。胡桃と、飴煮の鮴の鉢、鮴と....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
袖の嬌娜姿、雲を出でたる月かと視れば、離れた雲は、雪女に影を宿して、墨絵に艶ある
青柳の枝。 春の月の凄きまで、蒼青な、姿見の前に、立直って、 「お稲です。」 ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
う。黒目勝の清しやかに、美しくすなおな眉の、濃きにや過ぐると煙ったのは、五日月に
青柳の影やや深き趣あり。浦子というは二十七。 豪商|狭島の令室で、銑太郎には叔....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
から、此処に置いて味うことにした。 ○ 春霞ながるるなべに
青柳の枝くひもちて鶯鳴くも 〔巻十・一八二一〕 作者不詳 春雑歌、作者不詳。春....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
旬でありました。 三 門、背戸の清き流、軒に高き二本柳、――その
青柳の葉の繁茂――ここに彳み、あの背戸に団扇を持った、その姿が思われます。それは....
「地上」より 著者:島田清次郎
が廓の街を一々知らなかった。それに彼はよく通りつけている坂を下りずに、別な入口の
青柳の生えている広小路から這入りこんだので、途中で見当がつかなくなった。それ程に....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
日本橋のそれにや習える、 源氏の著者にや擬えたる、 近き頃|音羽
青柳の横町を、 式部小路となむいえりける。 名をなつかしみ、尋ねし人、 妾宅と覚....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
きは、もはや冬で、秋はこの麓の一画に占められている、道もせの草にもその色はある。
青柳の町を、遥かに左に見て、堤の上をゆく。槻の並木の色は比ぶるものもない美しさで....
「娘」より 著者:岡本かの子
松浦も健康な陶酔から醒めて、力の抜けた微笑を彼女に振向けている。 艇の惰力で、
青柳の影の濃い千住大橋の袂へ近づく。彼女は松浦とそこから岸へ上って、鮒の雀焼を焼....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
なき野の春駒は霞にのみやたな引かるらむ いかなれば氷はとくる春風にむすぼほるらむ
青柳の糸 いわゆる俊成のざれ歌ざまのものであって、一歩をあやまると、単なる駄洒落....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
人が、市に遊びに出て、この美しい池の主を見染めました。そうして連れられてとうとう
青柳の池にはいって、戻らなかったということで、この杢太殿が、また目一つであったと....