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「青梅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

青梅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
武蔵野」より 著者:国木田独歩
白金《しろがね》といわず、つまり東京市街の一端、あるいは甲州街道となり、あるいは青梅道《おうめみち》となり、あるいは中原道《なかはらみち》となり、あるいは世田ヶ....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
も蛙がまた鳴き出した。十吉は縁に腰をかけて、濡《ぬ》れた土に三つ四つころげている青梅の実を眺めていたが、やがてふいと眼をあげて表を見た。 まばらな竹籬《たけが....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かみさんの品で……」 「その晩に着ていた物だね」 「そうでございまいます。四入り青梅の片袖で、潮水にぬれては居りますが、色合いも縞柄も確かに相違ございません。お....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んですか」 「そうですよ。わたくしの出逢ったのは淀橋でした。御承知の通り、ここは青梅街道の入口で、新宿の追分から角筈、柏木、成子、淀橋という道順になるんですが、....
朱日記」より 著者:泉鏡花
、小児が夢中になるのも道理でござります。」と感心した様子に源助は云うのであった。青梅もまだ苦い頃、やがて、李でも色づかぬ中は、実際|苺と聞けば、小蕪のように干乾....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
退けてくされませ、殿、)と言うんだ。 (汚いもの、何がある。) (小丼に入れた、青梅の紫蘇巻じゃ。や、香もならぬ、ふっふっ。ええ、胸悪やの、先刻にから。……早く....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
子の好みにも種類があった。酸味のある果物は喘ぐように貪り喰った。道端に実っている青梅は、妊婦のように見逃がさず※いで噛んだ。 「喰ものでも変っているのね、あなた....
縁結び」より 著者:泉鏡花
えずさっと降出したのに、ざっと一濡れ。石段を駆けて上って、境内にちらほらとある、青梅の中を、裳はらはらでお君が潜って。 さてこの額堂へ入って、一息ついたのであ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
しきはあらざりき。 節句の粽貰いしが、五把の中に篠ばかりなるが二ツありき。杏、青梅、李など、幼き時は欲しきものよ。広岡の庭には実のなる樹ども夥多ありし、中にも....
風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
新潟で弁護士の伴純という人が、そのころは「改造」などへ物を書いており、夢想家で、青梅の山奥へ掘立小屋をつくって奥さんと原始生活をしていた。私も後日この小屋をかり....
離魂病」より 著者:岡本綺堂
十六で、痩形の中背の女である。その娘の島田に結っている鬢付きから襟元から、四入り青梅の単衣をきている後ろ姿までがかれと寸分も違わないので、西岡はすこし不思議に思....
光は影を」より 著者:岸田国士
なじだと、肚をきめて、ゆつくり外套を脱ぎすてた。 京野等志は、もう人ッ気のない青梅街道を冷たい夜風に吹かれながら、すたすたと歩いた。 足が宙に浮き、皮膚がじ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
が経ち初秋となった。 甲州方面から武州へ入るには、大菩薩峠を越し丹波川に添い、青梅から扇町谷、高萩村から阪戸宿、高阪宿と辿って行くのをもって、まず順当としてよ....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
り。径路は擱きていわず、東京より秩父に入るの大路は数条ありともいうべきか。一つは青梅線の鉄道によりて所沢に至り、それより飯能を過ぎ、白子より坂石に至るの路なり。....
童話の詩的価値」より 著者:小川未明
の気分が心辺に漂っていて、白い絹糸のもつれたような雲が藁屋の頂を流れて行きます。青梅の小さな実が柔らかな葉蔭から覗いている。傍には壊れかかった土塀があって、白壁....