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青楼
「青楼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青楼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年の悲哀」より 著者:国木田独歩
ごとく、笛を吹く者あり、歌う者あり、三味線の音につれて笑いどよめく声は水に臨める
青楼より起こるなど、いかにも楽しそうな花やかなありさまであったことで、しかし同時....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
ょうね。秋口だから、川風がひえるわ」 窓の外は加茂の川原で、その向うに宮川町の
青楼の灯がまだ眠っていなかった。 「――このお部屋、宮川町からまる見えね」 い....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
告鳥《はるつげどり》』のうちに「生質|野夫《やぼ》にて世間の事をすこしも知らず、
青楼妓院《せいろうぎいん》は夢にも見たる事なし。されば通君子《つうくんし》の謗《....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
対岸のキャバレエ「銀座会館」からジャズバンドの騒音がきこえていた。宗右衛門町の
青楼の障子に人影が蠢いていた。よく見ると、芸者が客と踊っているのだった。軽薄な腰....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
水道尻のその瓦斯と、もう二ツ――一ツは、この二階から斜違な、京町の向う角の大きな
青楼の三階の、真角一ツ目の小座敷の障子を二枚両方へ明放した裡に、青い、が、べっと....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
れよりも、戎橋や太左衛門橋の上から見た川の両岸の灯に心をそそられた。宗右衛門町の
青楼と道頓堀の芝居茶屋が、ちょうど川をはさんで、背中を向け合っている。そしてどち....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
の美しい円味、匂いこぼれるような媚めかしさ、悩ましさはともかくとして、おりふし「
青楼十二時」でもひもどいて、辰の刻の画面に打衝かると、ハタと彼は、その折帖を伏せ....
「神経」より 著者:織田作之助
宮川町の路地で、赤いハンドバッグをかかえた妓がペタペタと無気力な草履の音を立てて
青楼の中へはいって行くのを見た途端、私はよほど引き返そうと思ったが、もうその時に....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
われた宿場跡なのです。町は一丁目から五丁目までありますが、二丁目から三丁目までに
青楼があり、大きな二階三階が立ち並んでいて、土地で羽振のよいのはその
青楼の主人た....
「歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
縁先に小さくして、鷲づかみにした手拭で、やたらに顔の汗を擦っていた。 歌麿は「
青楼十二|時」この方、版下を彫らせては今古の名人とゆるしていた竹河岸の毛彫安が、....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
また、府中あたりに見ようたって見られるのじゃありません。何しろお嬢様、三階|建の
青楼の女郎が襟のかかった双子の半纏か何かで店を張ろうという処ですもの。 歌舞伎....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
日は名におう堺町|葺屋町の顔見世、夜の中から前景気の賑いを茶屋で見ようと、雅名を
青楼へ馳せず芝居に流した、どのみち、傘雨さん(久保田氏)の選には入りそうもないの....
「活人形」より 著者:泉鏡花
酔って寝たようになって、翌日の朝はこの世をおさらばだ。「承りました。しかし今時|
青楼で起きていましょうか。「藤沢の女郎屋は遠いから、長谷あたりの淫売店へ行けば、....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
すべてが惰性と反撥で行動しているように思える自分について、もう少し考えたかった。
青楼へ上ってしまえば自省も考慮ももうそれまでだった。昼の日本堤は用事のある行人で....
「俗臭」より 著者:織田作之助
に、所持金を費い果して、その日は朝から何もたべていない。道頓堀川の泥水に川添いの
青楼の灯が漸く映る黄昏時のわびしさを頼りなく腹に感じて、ぼんやり橋に凭れかゝって....