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青白
「青白〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青白の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「早春」より 著者:芥川竜之介
いる。そこへ、――時間はいくらもたたない。やっと三時十五分くらいだね、そこへ顔の
青白い女学生が一人《ひとり》はいって来る。勿論《もちろん》看守も誰もいない。女学....
「路上」より 著者:芥川竜之介
は御考えにならないの。」
「それよりも先に、自分の事を考えるんです。」
辰子の
青白い頬には、あるかない微笑の影がさした。
「薄情な方ね。」
「薄情かも知れませ....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
そうな様子を見て言葉もかけませんでした。 夜になるとマルコは甲板で眠りました。
青白い月の光りが広々とした水の上や遠い岸を銀色に照しました、マルコの心はしんとお....
「或る女」より 著者:有島武郎
て葉子を見つめていた。やせぎすで、痛々しいほど目の大きな、そのくせ黒目の小さな、
青白い顔が、薄暗い店の奥から、香料や石鹸《せっけん》の香につつまれて、ぼんやり浮....
「或る女」より 著者:有島武郎
報正新報」と書してあった。それを知ると葉子の全身は怒りのために爪《つめ》の先まで
青白くなって、抑《おさ》えつけても抑えつけてもぶるぶると震え出した。「報正新報」....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
なく時雨のような霰が降って来て海面を泡立たす。船と船とは、見る見る薄い糊のような
青白い膜に隔てられる。君の周囲には小さな白い粒がかわき切った音を立てて、あわただ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
。殊にケルソン市の岸に立ち竝んだ例のセミオン船渠や、其の外雑多な工場のこちたい赤
青白等の色と、眩るしい対照を為して、突っ立った煙突から、白い細い煙が喘ぐ様に真青....
「星座」より 著者:有島武郎
も夜になると、どんな闇の夜でもその建物は燐《りん》に漬《つ》けてあったようにほの
青白く光る。それはまったく風化作用から来たある化学的の現象かもしれない。「白く塗....
「二つの道」より 著者:有島武郎
道をのみ追うて走る人でも、思い設けざるこの時かの時、眉目《びもく》の涼しい、額の
青白い、夜のごとき喪服を着たデンマークの公子と面を会わせて、空恐ろしいなつかしさ....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
の舞台にする。 或る冴えた晩秋の朝であった。霜の上には薄い牛乳のような色の靄が
青白く澱んでいた。私は早起きして表戸の野に新聞紙を拾いに出ると、東にあった二個の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
て釈然とした。紋の丸は、色も青麦である。小鳥は、雲雀である。 幅広と胸に掛けた
青白の糸は、すなわち、青天と白雲を心に帯した、意気|衝天の表現なのである。当時、....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
影が、幻影が。 真綿をスイと繰ったほどに判然と見えるのに、薄紅の蝶、浅葱の蝶、
青白い蝶、黄色な蝶、金糸銀糸や消え際の草葉螟蛉、金亀虫、蠅の、蒼蠅、赤蠅。 羽....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
彼はあたかも砂金を捧ぐるが如く、これは月光を仰ぐようであった。 架の裏に、色の
青白い、痩せた墨染の若い出家が一人いたのである。 私の一礼に答えて、 「ご緩り....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
る夜などは、ままよ宿鳥なりと、占めようと、右の猟夫が夜中|真暗な森を※ううちに、
青白い光りものが、目一つの山の神のように動いて来るのに出撞した。けだし光は旦那方....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
うろつく者には、傍目も触らず、粛然として廊下を長く打って、通って、広い講堂が、
青白く映って開く、そこへ堂々と入ったのです。 「休め――」 ……と声する。 ....