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青磁色
「青磁色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青磁色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
うにビルを書いている。額の捲《ま》き毛、かすかな頬紅《ほおべに》、それから地味な
青磁色《せいじいろ》の半襟。――
陳は麦酒《ビール》を飲み干すと、徐《おもむろ....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
》を除けば、大抵は亜米利加《アメリカ》人か露西亜《ロシア》人だった。が、その中に
青磁色《せいじいろ》のガウンをひっかけた女が一人、誰よりも興奮してしゃべっていた....
「河明り」より 著者:岡本かの子
スマトラ」それからその反対の東南方を指して「こっちはボルネオ」、それから真正面の
青磁色の水平線に、若い生姜の根ほどの雲の峯を、夕の名残りに再び拡げている方を指し....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
悲劇などで名を謳われただけあって、四十を一、二越えていても、その情操の豊かさは、
青磁色の眼隈に、肌を包んでいる陶器のような光に、かつて舞台におけるメリザンドの面....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
の。その間私たち黒須さんの家へお預けでしょう。」 葉子は苦笑していたが、そこへ
青磁色したスウブが運ばれた。ナプキンを腕にした、脊の高い給仕が少し距離をおいて立....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
角形のものもある。そうしてその色も異っている。ある壺は紫色を呈している。ある壺は
青磁色を呈している。 薬を盛った壺らしい。 薬棚の前、釜の横、そこに彫像が立....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
ただ心懸けておいてもらいたいのは、行ってから二三日以内に、本棚のうえにおいてある
青磁色の大花瓶を必ず壊すこと、これはぜひやってください。そしてその翌朝、貴女は自....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
かが、午後三時頃の日光を受けて紅玉のように光っていた。柿の木の上には、雨あがりの
青磁色をした深い秋の空が、たとえようもない清明な姿をして拡がっていた。 燃える....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
である。―― で、華奢造りの黄金煙管で、余り馴れない、ちと覚束ない手つきして、
青磁色の手つきの瀬戸火鉢を探りながら、 「……帽子を……被っていたとすれば、男の....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
」 十歩ばかり先に立って、一人男の連が居た。縞がらは分らないが、くすんだ装で、
青磁色の中折帽を前のめりにした小造な、痩せた、形の粘々とした男であった。これが、....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
詰まっており、数脚の椅子と卓とがあり、洋燈が卓の上に燃えており、それに照らされて
青磁色をした、床の氈が明るんでおり、同じ色をした窓掛けが、そのひだにかげをつけて....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
たとき、一人の瘠せた老人を見たのを思い出した。その老人は、異様に皺が深く、ことに
青磁色をした、珍しい皮膚の色が印象的だった。 儀右衛門は膝を組み直して、 「と....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
の形は、巧みではなかったが、人に迫る凄惨さを現していた。
仲太郎の膝の右には、
青磁色の鉢があった。その鉢の中に、淀んでいる赤黒い液体は、犬の血と、牛の血と、仲....
「ロボットとベッドの重量」より 著者:直木三十五
みだ》している死の影、尖った頬骨、太くせり出したこめかみの血管――そんなものが、
青磁色の電燈カバーに、気味悪く照し出されていた。 その、ベッドの側に、合成アル....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
ら今にも噴烟が天に沖するかと思わしめる程、火山特有の形を備えている。其裾のあたり
青磁色の一線が所々強く光を反射しているのは尾瀬沼であろう。駒ヶ岳、平ヶ岳、景鶴山....